色々なご縁をいただくもので、高校で商業教育に携わっておられる教員の皆さんの研修会に参加した。
懇親会でお話ししていると、ある方が「商業教育にはものがありませんから」とおっしゃる。えっと思い聞き返すと、「工業教育だとものがあるでしょう。商業教育にはそれがありませんから」と。なるほど。
商品開発と販売提携、簿記、プログラミング、と「もの」に不足することはないと傍目には思われるのに、当事者には必ずしもそう思われていないことに驚かされた。
ならば、普通教育である初等・前期中等教育はもっと「ものがありませんから」ということになる。児童・生徒の意欲、学び、学力、「生きる力」いずれもまあわからないものだ。当事者はいつも言葉遊びの陥穽に陥りかねない、改めて心しなければと思わされた次第だった。