教員の社会的逸脱に関する研修会があり、私自身、学ぶことが少なくなかった。
その一つが、優勝するなど部活動で実績を出している、いわゆる強豪校などにおいては、強いチームを作ることで評価される特定の人物が、長く顧問に就く。そして、部内の権力者として振る舞い、その結果、暴力や「わいせつ」といった逸脱事象が起こりうるのではないかと、長く顧問に就いていることと部の強さ、優秀さの関係についての指摘に接したことだ。
なるほど、実績が伴えば、指導の仕方への批判は弱まり、学校外では逸脱であっても、校内では問題とならない。それが放置されることで、逸脱が加速するという捉え方は、説得的だと思う。
もし、この構図が成り立つのであれば、学校とくに高校はジレンマに直面することになる。なぜなら、本来は教育課程外部活動が学校の看板になり、中学生へのアピールにもなっている一方、それが暴走すると、管理職ですら顧問に容易に意見できないという状況が生まれかねないというジレンマである。
教員の過重労働の問題もあり、部活動のあり方がこれまで以上に問われているけれど、各教員の個業的な業務遂行の趣きをいかに弱めるか、も合わせて考えなければ。