京都府下の小学校に勤める教員から、興味深い話を聴いた。
教育課程の管理について、この学校の高学年には「個性」の強い教員が多く、いきおい社会科の授業が増えていると。昨年度は学習指導要領に示される授業時数の2倍近くを社会科に充てていたという。
授業の週案や実施後の報告とは大きく異なる授業回数をしていることは、公然の秘密となっており、管理職もこれを是正するように何故か強く言えないのだとか。まあ「やったもん勝ち」である。
この点について、話してくれた教員は同僚としてやんわりと問題があると指摘するものの、こう返ってくるのだそうだ。「深い対話的な学びのためには、多くの時間が必要だ。」なるほど、深い学びのためには時間もそれだけかかるのかあ。他の授業を削るほどにね。
新しい学習指導要領のキーワードが、もはやギャグの様相を呈していること、また、教科や領域ごとに定められる授業時数と実際のそれとの間には立派な「二重帳簿」があるだろうことがわかる。