ドイツは連邦国家であり、教育、文化、芸術の領域は「文化高権」(Kulturhoheit der Laender)と、16ある各州の権限がとても強い。けれど、連邦全体としての調整も必要であり、夏休み期間もその一つに該当する。休暇による混み具合の緩和などが考えられているのだろうか。
”州の夏休みは、ワーキンググループによって数年のリズムで合意され、常設文部大臣会議で決定される。これ以外の休業期間については、各州によって決められる"[常設文部大臣会議]のである。
2018年の場合、一番早く夏休みに入るのは、ヘッセン州、ラインラントプファルツ州、ザールラント州の6月25日から。一番遅いのは、バイエルン州の7月30日からである。これらの州の間には1ヶ月以上の違いがある。もちろん、終わる時期も異なっており、8月3日から9月10日にわたる。家族などの休暇計画も大きく変わること間違いない。
この図(https://www.kmk.org/fileadmin/Dateien/pdf/Ferienkalender/FER17_18.pdf)は、16州の休業日の重なり具合を示しており(なぜ色が違うのかは不明)、夏休みの場合、8月の最初の頃こそ、100%つまりすべての州が該当するものの、7月上旬から8月下旬では約半分の州に留まる。「どこもかしこも夏休み」の状況は、あまり見られない。
地方分権というのならば、こうした長期休みの分散もなされるべきだろうが、言わずもがな「ゴールデンウイーク」や「お盆」に見られる著しい集中の様子は、それと全く逆行していることを示している。「日本株式会社」と言われるゆえんである。