みなさんはご存じだったでしょうか。お店の開店祝いに届けられた花輪の花を、近所や通り掛かりの人が抜き取って持ち帰っても構わず、むしろ縁起物だからと花が残っている方が寂しいのだという指摘までもあるということを。
きのう今日に開店したばかりだなあと思われるお店の前には、お祝いの花輪が所狭しと並んでいました。まるで花屋さんかのようなさまに家人と驚いていたら、その前で堂々と花を抜き取る女性がいるではありませんか。えっ、盗んでいる? 何かの冗談だろうか。それとも通行人をねらった「ドッキリカメラ」の類か、と思ったほどに、手慣れた感じでたくさんの花を持ち帰っていったのです。
「何をされてるんですか」と尋ねる勇気はもちろんなく、いぶかしげに帰宅して、webで関係する発言を探しました。そうしたら、何と同様の問いかけが見つかりました。それらを複数検索した最大公約数的には、地域差もあるだろうものの、縁起物なので一向に構わないという話が成立しているようです。それなりに長く生きてきたけれど、まったく気づかずにきたことの一つだなあと、知らなかった自分に驚いた始末です。
もっとも、その店の前には「イベント中のため、花の持ち帰りはご遠慮ください」と張り紙がしてありましたから、今の持ち帰りはまずいのでしょうが、この張り紙が出るくらいに、持って帰るのは当たり前ということでもあるのですね。
何となく思っている習慣や価値基準、まあ当てにはならないものですね。自分の物差しだけで世の中を判じてはいけないと、改めて思わされたことでした。ああ、びっくりした。