学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

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「攻め」と「守り」

ある研究会にて。

外部から学校を「全体」として捉えようと試みているのだけれど、何かを始めよう、やってみようとしている学校を「攻め」型、今ある状態を維持しよう、このままでとする学校を「守り」型、と見れば、管理職ほか教職員の様子、あるいは学校の「雰囲気」が何となく説明できるのではないか、と話が進んだのだ。

学校とくに小学校を考えれば、高校や中学校と違って進路保証が問われることは少ないし、学校評価といっても明らかに捉えられることは限られている。だからこそ、あるいは、にもかかわらず、学校としての「勢い」が教職員の意欲ひいては態度にも影響を及ぼしているのでは、と見るのは、ひょっとしたら的を射ていのかもしれないなあと。

たとえば、教職員のスローガン、「差別を許さない学校を」というよりも、「来年度も全員が勤めたいと思える学校に」の方が元気が出るような気がしないだろうか。「そんな言葉尻をつかまえて」とも言われるだろうけれど、発想の転換につながるのでは?

「いじめの撲滅を」ではなく、「ぶつかり合いと議論のある学校を」、「不登校ゼロ」ではなく、「休むべきときには堂々と休む学校を」と、積極的な言葉への言い換えが何かのきっかけになればなあ。もちろん、「学力向上」など、何かを成し遂げたら、即「良い学校」という訳でもないのだけれど。
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by walk41 | 2012-03-03 23:23 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)

卒業

日本では、義務教育でも法的に原級留置が可能だが、「伝家の宝刀」をめったには抜かないというのが実情だ。これが生まれる背景には、みんな一緒にという「共同体」的発想と合わせて、校長が認める「身内」による評価という方法が関わっているように思う。

ドイツの場合、主な教育修了資格を挙げれば、義務教育修了(Hauptschulabschluss,9年)、中等教育修了(Mittlere Reife,10年), 大学入学資格(Abitur,12ないし13年)になるが、いずれも州国家による資格試験になっていることが特徴だ。人口の3割程度を占める、義務教育修了のための試験について見ると、次のように公表されている。

Baden-Württemberg 州の場合、2011/2012年度

・9年生および学校をすでに離れた者[Schulfremde]向け

すべての試験に合格しなければならない。

ドイツ語、数学、英語の中央筆記試験および、選択にてドイツ語、数学、英語の口頭試験

英語のスピーキングテスト(Sprachprüfung)は、スピーキングに関するヨーロッパ共通枠に基づき、9年生の前期終了時に英語が外されていない限り、すべての生徒に課される。それは3つの部分からなり、1.独話、2.対話、3.仲介(Sprachmittlung、ドイツ語への言い換えなど)。

テーマ別プロジェクト試験

・修了試験日程(5月Mai, 6月Juni)

筆記試験
主日程
ドイツ語 09. Mai 2012
数学    15. Mai 2012
英語 22. Mai 2012
政治および経済教育(Schulfremde) 14. Juni 2012
特別の外国語/母語 12. Juni 2012

追試日程(Nachtermine)
ドイツ語 18. Juni 2012
数学 19. Juni 2012
英語   20. Juni 2012
政治および経済教育 (Schulfremde) 21. Juni 2012
特別の外国語/母語          25. Juni 2012
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もっとちゃんと調べなければいけないけれど、まずは以上にて。1日の試験は1科目のみ。それが数週間にわたって行われることがわかる。なお、試験に関する規定は州の学校教育法にも関わるので、州議会の決定によって改訂される。

こうした試験のほか、学校での「内申書」もきっと影響するのだろうけれど、州として卒業資格の認定が行われていることは確認できるだろう。日本に住む私たちにとっては、どちらのやり方がどう望ましいと考えるだろうか。
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by walk41 | 2012-03-02 09:43 | ドイツのこと | Comments(0)

ふたたび、挙手

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写真は、Stuttgarter Zeitung 2012.2.29より。

ドイツでも日本でも見られる授業中の挙手、これは①誰が、②どのように、伝えることで生じている出来事なのだろうか。

①教員が、②~のように指示する、のであれば、②は、何からヒントを得たのか、自分の経験や考えによるのか、③他のクラスや他の学校では違うやり方があるのか、について調べてみたい。

挙手は、客観的に存在する事実である一方、それは教育側と被教育側・学習側の意図とそのせめぎ合いが刻印された主観の表象でもあると考えられるから。
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by walk41 | 2012-03-01 14:25 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)

PTA

学校に関わる団体なのに、法的位置づけが明確でなく、社会教育法第10条、「この法律で「社会教育関係団体」とは、法人であると否とを問わず、公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいう」が、根拠の引き合いに出されるPTAって、いったい何なんだろうか?

ところ変わってドイツ、Landeselternbeirat(州保護者委員会、LEB)というものがある。Baden-Württemberg州の場合、LEBは州学校教育法  § 60 に規定されており、

1. 保護者から選ばれた代表で構成されるLEBは、文部省に教育関係事項とくに教育課程の策定と教科書認可に関して意見を述べる。
2. LEBは、文部省に意見と提案を提出することができる。文部省は、LEBに重要な一般的事項を伝え、必要な情報を共有する。また、文部省は学校事項の具体化に関する事項全般の規定について、LEBの助力を得なければならない。
-----------------
以下、LEBのホームページ(http://www.leb-bw.de/)より、

LEBは、次の事項に関する意見を述べる
1. 教育関係事項の全般
2. 学校事項の具体化と規則
3. 上記に関する意見のほか、LEBには文部省に意見と提案を提出することが求められる。

LEBは、すべての学校種から民主的に選ばれた委員会で、その課題は、保護者に情報を提供するとともに相談に応じることである。

LEBは、29人とその代理から構成され、学校種ごとに1人が4つの行政区から選ばれる。ここには私立学校(freie Trägerschaft)からの代表も含まれる。

LEBは通常、月に1回、会議を開くが、それ以外にさまざまな委員会が置かれている。連邦保護者委員会、州学校委員会、保護者財団、ラジオ委員会、メディア委員会、青少年保護活動、林間学校協会、ユースホステルネットワーク、スポーツ協会など。

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ちなみに、ドイツ連邦基本法 第6条(2)には次のように記されている。

子どもを養育し教育することは、保護者の自然的な権利であり、 第一に課される義務である。国家社会はその行使を監視する。

日本では、学校教育における保護者の位置が不明確なことが「モンスター」を生んでいる、とは「隣の芝生」な見方だろうか。
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by walk41 | 2012-03-01 07:36 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)



教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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