学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

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学びの連続性

タイトルの言葉は、研究者仲間のひとりが話していたこと。まさにこれだなあと思わされる感想が、わたしの講習を受けた保育士さんたちの感想にあった。

…先日、卒園した子どもの小学校に参観に行く機会がありました。その中で、まっすぐ手を上げて発言することを求められる、「うなずいて」聞いている子どもは先生に褒められる、発言に対して「いいと思います」とみんなで言って拍手する、子どもたちの姿勢の悪さを子ども同士、ダメ出しするなど、違和感を覚えました。…

…年長児を送り出した次の年に参観に小学校に行った際、今の学校教育に衝撃を受けました。「手を挙げる時は静かに」「ひとと同じ意見なら拍手して褒める」などの光景にびっくりしました。…

いかがだろうか。幼保一元化、幼少連携、と叫ばれながらも、子どもがどのような遍歴を経てきたのかをおそらく微塵たりとも想像せず、マイルールやマイウエイを疾走する。それは教員個人だけでなく、学校単位でも同じだろう。

それがいけないと言うわけでは必ずしもなく、どうしてもそうなってしまいがちなことを踏まえて、どんな連携や一貫がありうるのか、を考えるべきだということ。無理な目標を立てて、それが達成されないから叱咤、鼓舞するというのはまさに根性論であり、およそマネジメントの発想を欠いた教育政策や指導行政というべきである。
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by walk41 | 2016-06-30 17:46 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)

そんなわけない

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ラーメン屋にて。

半永久的に無料、って謳っているけれど、そんなわけないやん。サービス券を使った次はサービス券がもらえないのだから(それとも、サービス券を使っても次のサービス券が付いてくるのかしら)、2回に1回は無料、つまり、1回あたり半額、というのが正しい。

こんな広告を打ったらあかんで。
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by walk41 | 2016-06-30 17:32 | ことばのこと | Comments(0)

具体的な例

大学でいま日曜日に行っている、教員免許取得のための講習担当分が終わった。受講する人も大変だと思うけれど、一日、6時間授業をして、翌日は月曜日というのもくたびれるなあ。

終えてみなさんの感想を読んでいると嬉しいことがいくつかあったけれど、その一つは、「具体的な例をたくさん出してくださるので、とてもわかりやすかったです」「例をたくさん出して説明をして頂けたので、理解につなげやすく」「今まで何となく思っていたことを、とても整理され、わかりやすく説明してくださったので”なるほど”と思うことが多くありました」「難しい内容も、先生の例えで頭にすんなり入ってきました」「マクロ・メゾ・ミクロのレベルの物の見方について、様々な例え話をしながら教えて下さったので、分かりやすかったです」「先生がわかりやすく、かみくだいてお話してくださったので、うっすらとではありますが、理解、共感する部分ができて嬉しかったです」と書いてもらえたことだ。

学生にも話す。抽象と具体の往復運動に秀でるようになろうと。一般と特殊、演繹と帰納、いずれにも通じるように、多くの事例を知るとともに、それはどのような問題なのかを捉えられる人になるように。日々の小さなけれど大切な精進とつとめているつもりなので、そのことが少しは認められたようで、嬉しかったのだ。
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by walk41 | 2016-06-28 15:01 | 授業のこと | Comments(0)

的確に過ぎて反論できない

ネットニュースで流れていたよ。
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外人「日本は世界一時間を守らない民族だ。」

日本人「そんなことないぞ?バスや電車はほぼ時間通りだし、仕事もみんな開始10分前から準備しているんだよ!」

外人「仕事の時間終わっても働いてるじゃないか!ちゃんと時間守れよ!」

日本人「アッ…アッ…」
https://twitter.com/nowetwenty/status/745474193471397889
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仰る通り、「時間に正確!」と豪語する割には、とてもルーズだものね。

勤務時間を守る、有給休暇をすべて消化する。どうしてこれができないのだろう。この結果、ルールを守って帰ろうとする人を、あるいは有給休暇を取ろうとする人を白眼視する、という倒錯が起こっている。多数派による少数派に対する暴力に他ならない。

「時間を守る」というルールを破っても、やりたいほどに仕事が好きなの? それとも、仕事量がマンパワーを上回っている(仕事量に対して人員が少ない、人員は足りているが分掌・進め方がまずい、個々の能力不足など)から?

ワーク・ライフ・バランスと唱えていても進まない労働時間を守るというルールの実現、まずは自分がきょう定刻で帰ろうとすること、でも難しいんかな。

 
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by walk41 | 2016-06-28 09:12 | 身体 | Comments(0)

相関関係が即、因果関係ではない

鉄五郎さんからコメントをいただき、思い出したことがあった。それは「総合的な学習の時間に発表などができている学校ほど学力テストでの成績が良好」というデータから、総合的な学習の効果を述べる新聞記事のあったことだ。

そこには、総合的な学習に関する学会メンバーの声も紹介されており、だからこの時間が有用であると言う趣旨があったかと思う。でも、これって話が逆じゃないのかな。

つまり、いわゆる学力が高い生徒の多い学校では、総合的な学習の時間に(おいても)積極的な活動が可能、ということではないのだろうか。総合的な学習の時間の経験が「学力」に影響しているかもしれないけれども、このデータの限りそれを導くことはできない。言えることは、両者が相関している可能性についてであって、先に総合の時間があって、その後に「学力」が来るわけでは必ずしもない。

同じことは、多くの「授業研究」についても当てはまる。「〜すれば、〜になる」という表現は、順序を前提にしているけれど、それは相関関係にとどまるのかもしれない。すなわち、 「〜になることと、〜になることとは関連している」と理解するのが、事実に対してより誠実だということだ。

なのに、「なんとなく」そう思ってしまう、それを疑うことなく断じてしまうことがまま起こるということ、本当に恐ろしいことだなって思う。
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by walk41 | 2016-06-22 20:27 | 研究のこと | Comments(0)

情報共有と情報管理

「風通しの良い学校」とは、多くの情報が流れている学校のことである、と述べる一文を読んだ。確かに、教職員の間で情報があまり共有されていないことが望ましい、とは言えない。けれど、こうした物言いは、大切な一面を見逃してはいないだろうか。

情報がたくさん流れるということは、それだけ伝達の過程や受け手の違いなどにより情報が変形する、知るべきでないところに漏れる、適度な更新が必要になるといった、情報の管理に労力を要することも意味する。

例えば、ある生徒の様子について、授業などで直接に知っている教員の間で理解していることと、直接には知らない教員がわかることとの間には差があり得る。あるいは、情報が多くなるほどに、口頭だけでなく紙や電子機器等を介するが、それらが教職員以外、例えば児童生徒や保護者、あるいは学校に出入りする人たちの目に触れる危険性が増大する。

「問題のある生徒」に関する情報が、知るべきでない人に流れた場合、その事後対応に要する労力は相当のものだろう。そのため学校では「取り扱い注意」等の表示をしたりして情報管理に努めているが、これらを乱発するわけにはいかない。また、多すぎる情報が、勘違いや混乱を起こすことも懸念される。これらを天秤にかけながら、情報の発信と受信、共有と管理に臨むこと、と述べるべきだろう。

つまるところ、一面だけで言い切らないこと、そうした慎重さとそれを支える想像力がなお重要、と思わされる。
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by walk41 | 2016-06-21 08:36 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)

教育職の技術

保育園で働く人たちとの研修、学校教育との違いを知ることができる一方、共通点も多いようで、話を聞いていて楽しい。

その中で保育者の技術とは何かという話になった。休憩に入り、ある方が話しかけてこられたのだが、うまくは言えないのだけれども上手に子どもの集中をとることができる保育士とそうでない保育士がいる、すごい保育士に周りが驚くけれど、本人は必ずしもすごいとは思っていないようだとのこと。

この辺りは教員にも通じそうだ。大勢の児童・生徒に話しかけて、それなりに伝えたり、場を沸かせることができる。数十人の生徒に接しながら、それなりに一人一人の様子をうかがい、対応し、短い時間のうちに判断することができる。

もちろん、教える教科に関する知識と技術も不可欠だ。とくに実技系、体育、音楽、技術、家庭、美術は、教員自身がそれに関わる技術を持たなければならないだろう。この点、他の教科はどうだろう。社会の教員は、社会的にうまく過ごしているか。国語の教員は言葉遣いが美しいだろうか。数学の教員は数学的思考をどれほどしながら生活しているだろうかー知らないことが多いなあ。

とまれ、他の人にはない(かもしれない)技術や技といったものが教育職にもあるだろうこと、それを明示化して議論の俎上に載せること、その把握(理解)を批判的に捉えつつ、つまり一般性や特殊性について考えつつ、可能な点について養成や研修のテーマにすることーそんな筋道が見えるかなあ、って思ったところ。

いつまでも頭と心の揺れ動くこと、しきりです。
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by walk41 | 2016-06-20 08:01 | 身体 | Comments(0)

足して7文字

今や立派な成人となった人から、自身の中学生の頃の話を聞くのは、なかなか楽しい。

高校受験を控えて、国語の問題を解く際、次のようなアドバイスを塾で聞いたと言う。
清少納言と紫式部、源氏物語と枕草子、これらの正しい組み合わせを選ぶ問いについて、両方とも足して7文字にするようにと。つまり、清少納言と枕草子、紫式部と源氏物語が正しい、ということ。

「21世紀型学力」という観点からは、こうした 一問一答式の問題は望ましくないということになるのだろうが、この経験はせいぜい10年前のことである。それほど昔のことではない。学校教育の世界も徐々にしか変わらないとは言え、すでに21世紀を迎えていた時期においてこの様子であったということを興味深く思う。

また、これは言わずもがなだが、学校で発現する生徒の様子は塾での経験も大きく影響している。当たり前のことだけれど、学校の管理下でなされることが、生徒の学力ほかのことをどれほど説明できるのか、まったく心もとない。

学校を強く補完する塾の存在をどのように踏まえて、学校教育を評価すればいいだろうか。
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by walk41 | 2016-06-18 21:25 | 学校教育のあれこれ | Comments(1)

転校生といじめ

生徒間の力学について話していた時に、学生から興味深い話を聞いた。

転校生に話しかける人は、「お前だけ先んじようというのか」と見られて、いじめられることになる。だから、転校生に話しかけようとする人はなかなかいない。ところが、クラスの中でリーダー的な生徒が話しかけると、「お墨付き」を得たかのように、途端にみんなが、転校生に話しかけるようになったと言う。学級内の力関係を踏まえた生徒の言動がうかがわれる。話してくれた学生が中学二、三年生の時のことだそうで、つい五、六年前くらいの出来事である。

授業が行われる単位である学級には、こんな人間関係が渦巻いている場合もある。その上に、授業中の児童・生徒の言動が見られるのだ。なのに、教育の成功という願望の強い大人は、こうした文脈とは異なる眼差しを注ぎがちである。「うなずいたのはわかったから」「発言するのは積極性の表れ」「学ぶ共同体の素晴らしさ」と。

そんな場合もあるかもしれないけれど、子どもたちの世界に大人が入っていけないことは自明だから、おのずと限界は明らかである。繰り返し言おう。授業がどんな風になるのか、それは巡り合った学級の様子に規定され、授業者のカラーがこれに加えられる、およそ設計図などと言えるものではなく、即興の、創発的、発見的(heuristic)な出来事である。

その大らかさ、ある意味でいい加減さを踏まえて、だいたいの感じ、をいかに捉え、また複数の(決して多くの、ではなく)眼差しを通じて相対化するのか。この方向での「授業研究」さらには教室研究にぜひ舵を切ってほしいと思う。
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by walk41 | 2016-06-17 14:05 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)

まずはやってみる

学会大会にてお世話をした。

プログラムはもちろんだが、参加した人からどうしても出るごみへの対応についても、勉強になった。

言うまでもなく、分別回収用のボックスは置かれているのだけれど、注意不足や見間違いも含めて、適切に捨てられていない場合がある。紙ごみのところに空き缶が入っていたり、ひどい場合には弁当ガラが入っていたりという具合だ。

仕方がないので、同僚と回収ボックスを開けて、分別し直す。ペットボトルのボックスについては、蓋を取り、包装を向き、これらはプラごみボックスに入れて、裸になったペットボトルだけ戻す。飲み残しを外に捨てに行っているうちに、手は濡れ、ジュース類もあってねちゃねちゃになった。片付けを終えて大急ぎで手を洗いに行く。気持ち悪いもの。

実は、自分もいつも適切にはペットボトルを捨ててはいなかった。一式で処分できる技術も必要だけれど、まずは回収に関わる人の真似事をちょっとしてみることも大切かと思う。これから自分はしっかり分別してごみを出せると思うから。
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by walk41 | 2016-06-13 13:37 | 身体 | Comments(0)



教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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