学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

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持って帰る

ある宿に泊まったら、浴衣の上にこんな札が置いてあった。"Please do not bring back YUKATA."

浴衣を持って帰る人がいるからの文言だろうな、と思いつつも、なんか変だなと感じる。そこで辞書を引くと、bring back に「持って帰る」という日本語が確かにあてられている。しかし同時に、「取り戻す」という訳語もあるのを見つけて、なるほどと合点したのだ。

つまり、「持って帰る」には、①もともと自分のものだったり、そこにあったものが一時的に離れたものを、元に戻す、という意味と、②自分のものではないのに、もともとはそこにあったものなのに、違うところに持って行ってしまう、という意味がある。

宿の人は、英和辞典を検索して、持って帰る、の英語にbring back を見つけたのだろう。けれどそれは、上の①の意味であって、宿が言おうとしている②の意味ではない。むしろ、"Please bring back YUKATA here" と記せばよいのではないだろうか。

同じ表現を何となくではあれ、日頃使い分けていることに、外国語を介すると気づくことができるなあ。





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by walk41 | 2016-12-31 12:31 | ことばのこと | Comments(0)

ものがありませんから

色々なご縁をいただくもので、高校で商業教育に携わっておられる教員の皆さんの研修会に参加した。

懇親会でお話ししていると、ある方が「商業教育にはものがありませんから」とおっしゃる。えっと思い聞き返すと、「工業教育だとものがあるでしょう。商業教育にはそれがありませんから」と。なるほど。

商品開発と販売提携、簿記、プログラミング、と「もの」に不足することはないと傍目には思われるのに、当事者には必ずしもそう思われていないことに驚かされた。

ならば、普通教育である初等・前期中等教育はもっと「ものがありませんから」ということになる。児童・生徒の意欲、学び、学力、「生きる力」いずれもまあわからないものだ。当事者はいつも言葉遊びの陥穽に陥りかねない、改めて心しなければと思わされた次第だった。

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by walk41 | 2016-12-28 12:04 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)

アベック

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恋人のさまを示すのは、今や英語由来のカップルという言葉、フランス語から来たアベックという言い方はいつの間にかなくなったなあと思っていたら、新聞記事に見つけたよ(大分合同新聞、20161228)。

男女両チームの優勝を指しているが、アベックの意味がしっかり伝わるかしら。

言葉は世に連れだけれど、地域差もきっとあるんだろうね。

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by walk41 | 2016-12-28 10:05 | ことばのこと | Comments(0)

変換ミス

ある書き込みにあった。「人間、1秒息災ですって」。えっ、1秒って?

そこで、「笑える変換ミス」を連ねてくれているページを見たら、楽しいものがたくさんあるね。

友人から恋人の相談をするメールを受け取ったのに対して、「すまん、寝取った」と返信とか、「お前、人間は顔じゃないんだよ」と励ましを打とうとしたのに「お前、人間の顔じゃないんだよ」と誤送信したとか、「風邪で休みます」と連絡を受けたので「わかりました」と送ろうとしたのに、以前の変換をコンピュータが学習していたせいか、「わ」を打った時点で、「ワロタ(^○^)」と変換したのに、それに気づかないまま送ってしまったとか、失礼ながら大いに笑わせてもらった。いずれも「悲しいとき〜」に使えるね。

とはいえ、当人にとっては笑いごとにあらず。赤面、困惑、いや驚愕、恐怖すらあることだろう。送る前にしっかり見直すこと、わかっているけれど、そうせずにミスすることは決して稀でなくあるもの。誰にでもあることと開き直って、変換ミスを送っても笑ってすませてくれる人間関係に努めるしかないかな。



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by walk41 | 2016-12-27 10:08 | ことばのこと | Comments(0)

つながりリスク

NHKクローズアップ現代プラスのダイジェストを読んだ。2016.7.の放送、SNSでの「つながるリスク」を述べるものだ。

その通りだと思う。東日本大震災の時にも、救出やその後の孤独死などに関わって、つながることの大切さが強調されたが、その裏側もある点を合わせて踏まえることが大切だろう。すなわち、つながることの煩わしさやしんどさを、少なくない人が感じたからこそ、プライバシーの尊重、個人情報の保護、冠婚葬祭の減少となっていること、つながりが不本意にも分断された訳では決してないということだ。

かと言って、反対に、SNSでつながるよう過度に求められることも嬉しくない。facebook など「知り合いではないか」とつながりたくない人が挙がってくるのも鬱陶しいけれど、何かの際に連絡がつくのは有難くもある。わがままなのだろう。

学力向上策についても、つながりの力が重要と言う人がいるけれど、本当かしら。つながることと学校的な能力とが正に相関する場合もあるだろうけれど、その反対もある。連むことが学力に寄与しないことは、ツッパリやヤンキーはたまた暴走族を想起すれば明らかだろう。

つながりに限らず、明るさ、コミュニケーションなども両面を持つ。他者の前での明るさは一人の際の「暗さ」とセットかもしれないし、コミュニケーション力があるとは、軽々さや沈思黙考のなさかもしれない。大人の言い方になるのだろうか、バランスを取ることが大切だろうし、ともすれば価値的に見える言葉により慎重に接することを忘れないようにしたい。

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by walk41 | 2016-12-26 08:39 | ことばのこと | Comments(0)

留学希望者のなぜ

時折、メールが入る。私のところで研究生をしたいという留学生の依頼だ。

けっこう逡巡する。というのは、返信をしても、それへの返事が返ってくることはまずないからだ。それでもしばらく考え、なぜ私のところなのか、進路はどのように考えているのかな、と記して送る。一縷の望みというのは大げさだけれど、返事をしないと悪いなあと思うからだ。啖呵を切れば、ひとつの国際貢献でもあるから。

そして結果は案の定、返事なしだ。またもやである。ちょっと疲れる。

だから、こうした人たちにお願いしたい。他の大学にもきっと依頼をしていることだろうから、そちらで決まったのなら連絡をしてほしいし、最低でも、返信を受け取ったら、どーも、とか、お世話になりますとか、返事をしてほしい。こんな調子だと、留学生を受ける気持ちがなくなるから。グローバル化とは世界平和にも繋がらないといけないだろうに、あーあ。



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by walk41 | 2016-12-23 13:43 | 大学のこと | Comments(0)

人道主義は批判されるか

ベルリンで起きたクリスマスマーケットへのテロ攻撃、痛ましい。

これを機に難民受け入れを進めてきたメルケル首相に対して、Afd(ドイツのための選択)ほか、ナショナリズムを強調する勢力が批判を強めている。けれど、人道主義は批判されるべきなのだろうか。

困っている人に手を差し伸べる、それは時として自分を危険にさらすことかもしれない。2001年に東京の地下鉄でホームに落ちた人を助けようと、日本人カメラマンと韓国人留学生が飛び降り、3人とも亡くなるという事故があった。その後も地下鉄で人を助けた例は複数あり、幸いにも全員が無事だったゆえ大きく報じられてはいないけれど、そんな勇気ある行動は各地で見られるだろう。

リスクを伴うことは忌避されがちだ。「何かあったらどうするんだ」と。けれど、リスクを伴わなければリターンはない、という場合も少なくない。戦地で救助活動をする医療スタッフ、報道カメラマンなども大きなリスクを背負って現地に赴いている。とても勇気のあることと脱帽する。

このことが主体が国家になれば話は違ってくるのだろうか。故郷を出ざるを得ない人々が頼ってきているのに、死の危険と隣り合わせの所に戻れと言うのか。

人道主義とは、ただ優しくあるということだけでなく、とくに困難に陥った時の自分の在り方を問うものだろう。難民の問題だけではなく、「近所に幼稚園ができるのはうるさいから嫌」「車いすの人が電車に乗ってくるのは、時間がかかるから嫌」「外国人が近くにいるのは怖い」といった反応は、ある意味で正直だけれど、新しい環境に向かおうとする勇気のなさの現れでもある。

地球規模の問題だけでなく、日頃の生活の中でいかに広い視野と鷹揚さ、そして挑戦的な自分であるかどうかと問いを引き受けるべきだろう、決して、対岸の火ではなく。
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by walk41 | 2016-12-22 10:45 | ドイツのこと | Comments(0)

もう直ぐクリスマス

ローマ帝国の属国だったイスラエルの支配を受けていたユダヤの民にとって、イエスの誕生は救世主の出現だった。クリスマスとはこのことを祝うものなのだろう。

だとすれば、本当に小さなことかもしれないけれど、誰もが救世主になれる。寄付を集める、お金を介さなくても親切で誰かに喜んでもらう、ジョークで誰かを笑顔にする、場を和ませる、いずれも「世のため、人のため」ではないだろうか。

日頃の慌ただしさゆえに忘れがちな心のゆとりを少し取り戻して、誰かに優しい瞬間を届けようとすること。ご馳走やプレゼントに加えて、こんなこともクリスマスを祝うことではないかと思う。

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by walk41 | 2016-12-21 13:15 | Comments(0)

クリスマスマーケット

ドイツに限らないだろうが、この地のクリスマスマーケット(Weihnachtsmarkt)は楽しい。

「プラスチックのツリーを遣うそうだね」と皮肉交じりに言うドイツ人にとって、クリスマスツリーは山から切り出した生木だ。それ用に育てられた何年ものかのモミの木を人々は求めて、近くの山に行く。それを持ち帰り、屋内に立てるのだ。

そんなツリーや部屋の飾り付け、ろうそく、チョコやクッキーといったお菓子。テーブルクロス、ブランケット、帽子、絵本、アロマオイル、あるいは、置物。ホットワイン(Gluehwein)やソーセージ、スープも用意される。大人の遊園地の感あり。控えめのBGMや寄付集めの楽器演奏が聞こえる以外はいたって静かで、年の瀬を感じながらかつ楽しむことができる素敵な催しが、11月の下旬からクリスマスイブかその前日の12月23日くらいまで開かれる。

そんなクリスマスマーケットに、ベルリンでトラックがおそらく意図的に突っ込んだと、朝のニュースで知った。多くの方が殺され、さらに多くの方が怪我を負っているという。もしテロリズムによる犯行だとすれば、こんな悲劇的な構図はない。穏やかで笑みあふれる場に、怒りと憎悪がやってくるとは。

いよいよクリスマス、キリストの降臨も間近、多くの人々に笑顔と希望の光が指しますように。そして、困難な課題を乗り越える勇気を生み出せますように。
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by walk41 | 2016-12-20 08:42 | ドイツのこと | Comments(0)

笑う門には福来たる

ドイツ語の日めくり、今日のことばから、

笑うための時間を取りなさい、それは魂の音楽だから。

優しく親切であるための時間を取りなさい、それは幸福への道だから。

アイルランドから
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by walk41 | 2016-12-19 06:40 | 笑いのこと | Comments(0)



教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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