学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

「問い」のある研修を

学校はとても真面目な人の集まりだ。

だから、おしなべて堅苦しく、形式が先行する。これは、失敗しないようにという配慮の表れなのだが、それは同時に、予定から外れない、意外性の乏しいつまらないものにもなりがちである。

先日、ある中学校にうかがった。いわゆる校内研修と改まったものではなく、進行表もなく、好きに車座になって、互いの目線が交わせるように座る。

私がみなさんに問いかける。「チーム○○って、よく言われるけれど、そんなのはムリなことでは?」と。すると、手が挙がり、「確かに授業の点ではそうだが、生徒指導はチームと思ってやっている」、あるいは「改めて尋ねられると、そうかもしれないと思う」。これらに対して、さらに意見が出される。

あるいは、「子どもを捉える、とよく仰るけれど、先生方は子どもを捉える上でどんな道具を持っているのだろう。それはほとんど直観によるものか?」と問う。同じように、なるほどそうかもと肯定する意見、そんなことはないと否定的な意見、また別の角度からも声が上がる。

こうした議論の正解はおそらくない。しかしながら、議論すべき問題が立てられること、またそれをいろいろな方向から深められることに気づき、体感できること-こうした思考上の交通整理に寄与することで、実践的にも役立つのだと思う。

答のはっきりしない、曖昧なまた両義的なことについて、各々の見方、捉え方を多様にキャッチボールすることを通じて、すっきり感を得てもらうために、研修企画・実施、そして講師の役割は、この研修がどんな「物語」(ゲームといってもよい)を取り上げるのかを明示すること、そして、そのストーリーをいかに再解釈できることが面白いのか、不思議で楽しいのかを予感できること、つまり「(研修)教材の研究」がどれほどなされているか問われる。

さて、こうした「わからないということがわかっていることはすぐれて重要」という点が、どれほど関係者に了解されているだろうか。
[PR]
by walk41 | 2012-03-23 09:21 | 研修のこと | Comments(0)
<< 歓迎! ノーネクタイ 外国語はむつかしい >>



榊原禎宏のブログ(Yoshihiro Sakakibara Blog) 教育学の一分野、学校とその経営について考えます(um die Schule und ihre Verwaltung und Management)
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のコメント
よなすさんへ、コメントを..
by walk41 at 18:37
いつも興味深く拝読してい..
by よなす at 00:02
はじめまして、香菜子とい..
by 無力な教育者香菜子先生 at 13:53
お久しぶりです。お元気で..
by walk41 at 18:20
こんにちは。全くその通り..
by じゅくせんまさや at 15:08
「教え子を戦場に送るな」..
by Koji at 12:50
じゅくせんまさやさま、 ..
by walk41 at 05:02
いつも楽しみに拝読してい..
by じゅくせんまさや at 19:06
教員の労働時間は確かにブ..
by Koji at 22:22
大学は学校教育法上「学校..
by 回答者(仮名) at 17:35
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
いじわるな二桁 gemei..
at 2018-12-11 21:53
椎茸 Shiitake
at 2018-12-11 00:57
ミネラル水 Mineralw..
at 2018-12-10 19:53
意味あるかなあ ob es..
at 2018-12-09 19:12
クリスマスマーケットの飾り ..
at 2018-12-08 19:10
サンタクロース来たる Ni..
at 2018-12-08 05:00
ピザの宅配サービス Piz..
at 2018-12-06 22:42
これこそ大学 Das is..
at 2018-12-06 00:24
多様な見方を大切に Res..
at 2018-12-05 16:33
すっかりクリスマスモード ..
at 2018-12-05 16:07
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧