学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

知能と知性

受け売りだが、アメリカには、知能に対する高い評価の一方、知性に対する反感がうかがえるらしい(『アメリカの反知性主義』(R.ホーフスタッター、 田村哲夫訳、みすず書房、2003年、[原著は1963年])。

ここで、知能とは実用的、実利的、ビジネスで成功すること、これに対して知性とは分析的、批判的で、より原理的である。

アメリカがどうかはさておくとして、この区分は面白く、説得的だ。「筆記テストで100点とれる」ことは知能的だが、たとえば「そんなん、喋った方が早いやん」と考えるのは知性的である。「有名企業に就職」は知能が高い証かもしれないが、「それがあなたの幸せなん?」と考えることは知性的である。

つまり、知性的であることは、社会的成功を必ずしももたらさず、むしろ「変人」「役立たず」と排除される危険ですらある。しかし、世の中は無常であり、社会の価値や規範は常に変化しているから、短い一生ならともかく、それなりの寿命を享受するつもりならば、知能的なことはリスクであり(「ガンコ者」「ワンパターン」)、知性的なことが重要である。

知能と知性、いずれも英語はintelligenceだけれど、前者にはcapabilityという単語もつけ加わる。「~できる」のは「わかっていない」からこそ、とも言えるからだろう。

「なんでか知らんけど、そうやったらこうなるねん」は、機械的な活動。高校生の頃、「北条民雄→いのちの初夜」って作品を読みもしないで(勝手な想像だけして(^^;))丸暗記。国語の1点くらいにはなったもんなあ。まったくの阿呆。

「丸暗記」とは、歴史や文学史に限らない。漢字の読み書きも同じこと、たとえば「偽」という漢字がなぜ「いつわり」を意味するようになったのかを知らず、「偽り」と書けるだけでは、知能的だが知性的とは言えないのである。
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by walk41 | 2012-04-08 16:52 | ことばのこと | Comments(0)
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榊原禎宏のブログ(Yoshihiro Sakakibara Blog) 教育学の一分野、学校とその経営について考えます(um die Schule und ihre Verwaltung und Management)
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