学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

「失敗」から考える

学校教育の議論は、「こうすればよい」「これでうまくできる」と締めくくることがほとんどない。その論拠となるデータを示すことができないからだ。

かたや、「外国では…」「江戸時代は…」といった別の空間や時間の事象(と思われるもの)を取り出したり、「中教審で言われるように…」「ウェーバーが言うように…」などと、「正しい」主義・主張に依拠して語る、「タダ乗り」が横行しやすい。

こうしたことが起こるのは、「正しい」ことがあるはずと考えて、それを自分たちで導き出すことができないのに他所から借りて格好をつけようとしているからであり、その点では、「ええかっこしい」「見栄坊」が多いのかもしれない。

ならば、発想を逆転させて、こう考えてみてはどうだろう。すなわち、「正しい」を示すのは難しいけれど、「これは良くない/望ましくない」ものを確かめる中で、「ちょっとはまっとうなこと」「ましなこと」を導き出そうとするのだ。

たとえば、「良い学校評価とは何か」を検討するために、「どんな学校評価がまずいと思うか」から入る。いくつか列挙されるだろうから、では、これらに共通することは何か、また、これと違う学校評価はどんなことかを考えてみる。あるいは、「うまくいっていない学級経営」の特徴を挙げる中で、何が問題なのかを整理してみる。これらはいずれも、「成功」している例でなくて構わない(そもそも、何をもって「成功」というかが難しいからの話なのだから)。

この考え方は、教育センターなどでの集合研修だけでなく、校内研究(校内研修)にも応用できるだろう。これまでの経験をていねいに振り返る中で思考実験ができるし、それを促すためのロールプレイもやってみられる。必ずしも、実際に「研究授業」をやらなくてもいいから、「なかなか集まれない」「調整が大変」と悩むことも減るだろう。かくも、具体的なやり方を知っていなくても、発想が広がれば、改善さらには解決できる問題も少なくないと思う。
by walk41 | 2012-05-10 08:20 | 研修のこと | Comments(0)
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榊原禎宏のブログ(Yoshihiro Sakakibara Blog) 教育学の一分野、学校とその経営について考えます(um die Schule und ihre Verwaltung und Management)
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