私の問題かもしれん、どうも馴染めない。「何でも言い合えるクラス」づくり、学校用語で「仲間づくり」ともいう。
気になってしかたがないので、今日の授業で、教育論の思考上の内容と方法というお題に関わらせて、学生たちに尋ねてみた。「これって、あまりに牧歌的だと思わない?」
女子学生が一人、授業の感想文に書いてくれたので、その要旨を以下に紹介したい。
「何でも言い合えるクラスを目標に?」というお話で思い出したことがありました。小学生の頃、担任の先生が「嫌なことがあったら、ちゃんと言わなあかん」と話したので、それを聞いた十数人の女の子が、ある女の子の嫌なところを、直接に言いにいったことがありました。結果的に「集団リンチ」のようになり、大きな問題になってしまいました。恥ずかしい話ですが、私も言いに行った一人でした…。
う~ん。私からすれば、この学生が恥ずかしい思いをするべきではなく、「何でも言わなければいけない」と余計なお節介を焼いた教師が大問題。子どもたちは、「言いたいことがあっても、言わないのがマナー」ということを教えられることなく、学んでいたのに。
どうも私は教師が嫌いなのか、辛口が過ぎるかもしれない。でも、ぜひ先生方、こうした「何でも言い合えるクラスっていいよね」といったナイーブな設定の押しつけが、子どもたちをとんでもない方向に突き落とすこともあるってことを、どれほどイメージした上で、ねらいや目標を立てているのか、再考してほしい。
大学生相手にもあるかもしれん。何となく「良いんとちゃう」には、思わぬ思慮の浅さがあるかもしれないと、自戒したい。