人気ブログランキング |

学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

「わかる」と「できる」

1回生向けの授業のお題。「わかる」だから「できる」という訳では必ずしもないんだよ、その上で教員の役割をどう考えたらいいのだろうか、と話す。

「わかる」だけれど「できる」、つまり、「わからない」だから「できる」ということもあることに、学生は強い興味を持ったようだ。生徒の頃感じていた、何となくの違和感に、説明がついたと感じた学生もいた。

「絵を描く際に、画法とか色彩などを習わないで描く方が、良い絵になると話していたのを聴いて、なるほどと思いました」「算数の割り算の時、なぜ分母と分子を入れ替えてからかけ算にするのか、理屈が全くわからなかったが、やり方は覚えているので計算はできる。わかるとできるの違いは小学校の頃にすでに経験していたことを思い出した」

「中学生の時、体育の側転ができないことを先生に相談すると、何でできひんの? 腰上げたらいいだけやん。理屈わかれば簡単やん、と言われ、私は、わかってんのにできひん…とすごく悔しい思いをしたことがあった」「私はスポーツが好きだが、よく当てはまると思う。頭ではわかっているがいざ実践するとなると、なかなか難しくてできないことがよくある」「できない子はわかっていない子、という決めつけはいけないと思います。…音楽でも理解できていても表現できないことが多々あるなと」

「わかるからできない、ということもわかる人間になりたい」「わかるけれどできる、なんてことがあるなんて考えなかったし、問いかけられてもまったくわからなかった。なんて頭が堅いのだろいうと、むかついた」「分からないからできないことが、身近にたくさんあることに驚いた。分からないから楽しめるのだと思った。すべてが分かってしまうと。楽しいものも楽しく感じられないのではないだろうか」「特に、教師という立場になるならば、自分が無知であることを知っていなければならないと考えた」

いかがでしょう? ソクラテスの「無知の知」なんて話をしなくても、学生はしっかりと気づいています(と学生自慢?)。彼らの4年後が楽しみです。

最後にこの授業評。「この講義はいつもそうですが、家に帰ってからゆっくり一人で考える時間をとりたくなります。実際、一人でもんもんと悩むのは楽しいし、充実した時間だと思います。疲れますが。そのきっかけをくれる講義なので、面白いです」。

シラバス通りではないし、テキストも使ったり使わなかったり。でも、こんな授業もいいと思われませんか。
by walk41 | 2012-05-17 14:01 | 授業のこと | Comments(0)
<< 教員に辛口、ごめんなさいね 思いやりのある子 >>



榊原禎宏のブログ(Yoshihiro Sakakibara Blog) 教育学の一分野、学校とその経営について考えます(um die Schule und ihre Verwaltung und Management)
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のコメント
さかきばら先生、 いつ..
by よなす at 00:05
よなすさんへ、いつもコメ..
by walk41 at 13:37
さかきばらせんせい、こん..
by よなす at 01:11
よなすさんへ コメ..
by walk41 at 09:40
さかきばら先生こんにちは..
by よなす at 03:01
よなすさんへ、コメントを..
by walk41 at 18:37
いつも興味深く拝読してい..
by よなす at 00:02
はじめまして、香菜子とい..
by 無力な教育者香菜子先生 at 13:53
お久しぶりです。お元気で..
by walk41 at 18:20
こんにちは。全くその通り..
by じゅくせんまさや at 15:08
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧