到着したのは大きな駅。少し古ぼけた感じがしなくもない、何本ものホームに繋がる渡り廊下になっている通路がある、昼下がり、まばらに人が行き交う。
そこにつたない歩きぶりながら走っていく、2歳から3歳とおぼしき男の子。それを追いかける母親らしき女性。母親の手を離れた隙に駆け出したのかな。
男の子が近くにあったエレベータのボタンを押す。立ち止まっている男の子のところに、まもなくかけつけた母親が子どもに一言、そして二人は来た道をゆっくりと戻っていった。
ほほえましいなあと思う。私に飛び込んできたとても「小さな社会」の出来事。一瞬のことではあったけれど、私は映画から切り取られたかのように、それを眺めていたのだった。