学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

公共施設の多機能化

NHK,20130221朝のニュース、埼玉県の鶴ヶ島市を例に、公共施設(建築物)の老朽化の対策にいかに取り組むか、とても興味深かった。

およそ1970~80年代にたくさん建築した公共施設が老朽化し、施設維持費が市の財政を圧迫することが明らかな現在、補修など維持ではなく、思い切って施設数を大幅に減らすとともに、新たな施設の多機能化(施設の複合化)を図るという発想だ。

学校、保育所、図書館、女性センター、公民館、児童館などをできるだけ1つの施設に集約して、稼働率を上げるとともに、人々の交流を促す。学校で使っていない時間の美術室は住民のサークルで使う、という具体に。

これまでも、学校体育館をスポーツサークルが夜間使用するといった例は広く見られるが、それを時間的、領域的に大幅に拡げ、効率的な施設の活用と人々の関わりを強めるアイディアと見た。

こうした「開かれた学校」が本格化するならば、児童・生徒に関わる人間関係も変わってくることだろう。彼らは、受動的な「教えられる」立場だけでなく、たとえば、お年寄りの話を聞いたり、手助けをする能動的な立場を持ちうる。子どもたちの周りが、「教える」人だけではなくなるからだ。そこでの「教職」には、限られた分野の「専門家」というよりもむしろ、幅広い人間理解としての相対的認識・感情とそのマネジメントに秀でていることが求められるだろう。そうでなければ、多様な年齢、社会的・文化的属性の人々が集う場でうまく適応できない。

かくして、学校関係者は多岐に及び、「プロフェッショナル」であるべき余地は小さくなるだろう。外国人、高齢者、障碍者あるいは卒業生が「先生」役になる。そして、「先生」という意味自体が変化していくだろう。ある決まった内容を伝えるteacher ではなく、水先案内人のguide やnavigator、あるいは相談役である counselor になるかもしれない。

人口変動、施設・設備環境の変化といった、明らかな事実を眼前にしながら、「教員たるもの、専門職としてかくあるべき」とこだわる議論をすることが、そもそも誤りということがわかるだろう。
[PR]
by walk41 | 2013-02-22 09:27 | Comments(0)
<< 学校拒否 あかん >>



榊原禎宏のブログ(Yoshihiro Sakakibara Blog) 教育学の一分野、学校とその経営について考えます(um die Schule und ihre Verwaltung und Management)
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のコメント
よなすさんへ、コメントを..
by walk41 at 18:37
いつも興味深く拝読してい..
by よなす at 00:02
はじめまして、香菜子とい..
by 無力な教育者香菜子先生 at 13:53
お久しぶりです。お元気で..
by walk41 at 18:20
こんにちは。全くその通り..
by じゅくせんまさや at 15:08
「教え子を戦場に送るな」..
by Koji at 12:50
じゅくせんまさやさま、 ..
by walk41 at 05:02
いつも楽しみに拝読してい..
by じゅくせんまさや at 19:06
教員の労働時間は確かにブ..
by Koji at 22:22
大学は学校教育法上「学校..
by 回答者(仮名) at 17:35
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
まあ、こんなものかな na..
at 2018-12-13 20:33
試験結果 Ergebnis..
at 2018-12-13 02:41
地元大好き Heimatl..
at 2018-12-13 02:29
キリストのいないクリスマス ..
at 2018-12-12 23:00
いじわるな二桁 gemei..
at 2018-12-11 21:53
椎茸 Shiitake
at 2018-12-11 00:57
ミネラル水 Mineralw..
at 2018-12-10 19:53
意味あるかなあ ob es..
at 2018-12-09 19:12
クリスマスマーケットの飾り ..
at 2018-12-08 19:10
サンタクロース来たる Ni..
at 2018-12-08 05:00
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧