こんな教員がいるなんて、本当だろうか。
小学校で、子どもたちに「一時間目、何をしたい?」と尋ね、「遊びたい」が多数を占めると民主主義的だとそれに応じてよし、とするようなことを。
あるいは、会議で提案されたことに対して、一分後には「採決をしましょう」と多数決を求める教員がいるなんてことを。
もし、そんな教員がいるならば、それは、民主主義と専門主義を自分に都合よく使い分ける、二重基準者(ご都合主義者)である。
あなたが教員であるのは、子どもたちや保護者に選ばれたからではない。大学で教職課程を履修して、国家資格である教員免許状を取得し、教育委員会が実施する採用試験に合格したからこそである。そこには、民主主義的基準は手続き上、同等に扱われるという点を除けば存在せず、むしろ、日本国民でなければ教諭としては採用されない点で、外国籍の人に対して差別的ですらある。
こうして自分が教壇に立てていることを忘れ、教育課程の実施という学校で一番の校務分掌を怠業、あるいは、校長が学校の責任を負うというルールを無視、軽視するなど、公教育を担う立場としておよそ認められるものではない。
教職は「教える」ことには特別な資格を要するという発想に基づき設計されている、専門主義に則るものである。そこで働く者は、それにふさわしく職務に専心して初めて制度が機能する。教育に対する専門主義に反対して、学校解体を叫ぶならばともかくも、国家資格を厳然と行使しながら、その根拠を突き崩すような言動をとるなどということが、もし、あるとするならば、それは不誠実そのものである。そのような人物は、子どもの前に立ってはならない。