授業で学校評価について取り上げる。「いつ、誰が、何について、いかに」学校を評価することが意義のあることなのか、また可能性があることなのだろうかと、既存のデータを元に意見を交換する。
多くの学生がどこから考えていいのかわからない、こんがらがる、とのたうち回るなか、ひとりの女子学生が私に話しかけてきた。「学校を良くするための評価だったら、年度とか終わってしまってからやっても仕方ないですよね」と。
その通り。評価をしてもその結果がフィードバックできなければ、評価の意義は半減以下になってしまう。なのに現下の多くの学校評価は年度の終わりだ。データを得ても、児童の6分の1、生徒の3分の1は入れ替わるから、次の年はどうなるかわからないのに。にもかかわらず、「昨年度と比べて、良くなった/悪くなった」ってお喋りをしているのが大概である。「現場」の方が現実に対するセンサーの感度が低いのかもしれない。あるいは、「こうせな、あかんねや」って諦めの境地?
初めて学校評価という言葉を知った学生だろうに、着眼が良いのだろう、感心させられることを話す。こうした新鮮な見方がより生まれるように授業を進めたいし、そこで私も大いに学びたいなと思わされる。