神奈川県で中学生が遺体で発見、不登校の生徒だったと聞く。
例によって、学校のこれまでの対応が問われ、説明に奔走させられる様をテレビで見て、さぞ大変なことだなあと気の毒に思う。
学校は生徒を確かに預かってはいるが、それはあくまでも学校にいる間のことであり、彼らがより影響を受け、あるいは及ぼす学校外のことまで関知さらには操作できるものではおよそない。学校が自分たちではどうしようもない事柄について、あたかも権限と責任があるかのようなスタンスで報道関係者に迫られるのは、まったく理不尽なことと言わなければならない。とくに思春期を迎え、生徒当人ですら困惑する疾風怒濤の時期に当たる中学生に関しては。
ある中学校教員が話してくれたことがある。「中学校で務めるというのは、ロシアンルーレットのようなもので、何か起こるのが当たり前で、起こらなければラッキーという場なのです。」
なのに、しっかり生徒指導をして、危機管理ができていれば問題は未然に防げるというムチャな前提が、正義として振りかざされ、これに応えられない最前線の教職員がいたずらに消耗するという構図、これまでにも経験したのではないだろうか。補給ルートの確保なしに、やれるだけやれと最前線の将兵を煽り、無駄死にさせたどこかの国の軍隊のことである。