東日本大震災が起こってから4年が過ぎた。地震や津波で亡くなった方は2万1千人を越え、今なお仮設住宅で暮らす方は22万人もおられると聞く。
きっと当たり前だっただろう日常が、この日でぷっつりと終わってしまったということ、どれだけの人がそんなつもりをしていただろうか。
一日一日を大切にとはよく言われるが、「いくらなんでも、今日までってことはないやろ」と、恐らく多くの人は終わりがまだ先のことと思いがちだろう。実際に今日までってことは、あまりないからね。
けれども、稀にそうしたことが起こる。まったく突然に人生の幕が下ろされてしまう。自分の人生は一度きりだから、そうなる確率を云々されてもあまり意味がない。自分にとってはそうなるか、ならないかの二者択一なのだから。
死を恐れて生きる必要はないだろう。そうではなく、きょう与えられた生を充実させること、良かったなあ、有り難いなあと眠りにつけること、これが生きる喜びを味わうということではないかと思う。
原発事故という人災もあるけれど、その引き金は理不尽な巨大地震と想定を遙かに上回った津波だった。予測の不可能性を改めて思わされながら、だからこそ、丁寧に今の時間に向き合うことが大切であるし、その刹那を楽しむことができるのではないか、そんなことを亡くなった方への祈りとともに感じた一日だった。