ひょんなことから、東京ディズニーランドに行くことになった。遅ればせながら人生初である。
「ドキドキして胸が張り裂けそう」という入場者の声を傍に聞きながら、どんなものだろうと入り口をくぐる。開口一番、まあ人の多いこと。
行けども行けども見えるのは、人々の行列。アトラクションに乗るのに列をなすとは聞いていたが、ポップコーンやチキンバーなどを売っているスタンドを目指して長蛇の列ができているとは知らなかった。いやはや。
確かにきれいに整えられた花壇、ゴミひとつなかなか落ちていない通路は美しいが、どうも好きになれない。パレードは楽しげだったし、プロジェクションマッピングも華やかだった。ただ、消費、いやお金を使ってナンボという臭いが強すぎるのだ。
バザールでも街角の小店でも、商品がその一角を飾り、買ってほしいオーラを放っている。もちろん、そういう場もあってよいだろうけど、街や国と銘打つのであれば、衣食住の幅というかバリエーションがあるのが普通だと思ってしまうから、私にはダメなのだ。きっと。
野暮なことを言うでない、という声が聞こえるけれど、短い間ならばともかく、あまり長時間いるのは身体がしんどくなるのを感じる。ここに4日間まで通えるチケットがあるのだから、好きな方はさぞかしなのだろう。ごめんね、わからんわ。
年間入場者者数が3000万人を超えるという、このテーマパーク。そんなにも多くの人がなぜ訪れるのかを謎解くことができたら、日本社会を一つ理解できるのではないかと感じたことだった。