学校教員の口癖の一つ、とは言い過ぎだろうか。
「当たり前のことを当たり前にする」という,生徒指導がらみか教育的信条かわからないが、これを自信ありげに語る教員が少なくないように思うのだ(的外れだろうか?)。
こうした言葉を発する教員がいるとして、その問題は二つ挙げられる。
その一、これだけ多様化、複雑化している世の中にあって、衆目の一致するような「当たり前」があることに疑いをもっていない自分であることをカミングアウトしている。つまり、自分は不勉強であると公言しているという幼さがある。
その二、文字通り同義反復(tautology)の表現なのに、何か聴くべきことを言っているかのように思っている自分であることを赤裸々にしている。「富士山は富士山だ」と言って恥じないなんて、あなた大丈夫ですかと声を掛けられるよ。
いずれも、「教員の学力問題」と言うべき問題である。児童生徒の学力向上以前の問題かもしれない。
どんな業界も手垢のついた言葉、業界用語はあるだろうけれど、馴染んでいるからこそ振り返り、精査したいな。大学も同じだけれどね。