学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

授業の環境

年度の終わり、研究発表会が各地で行われているが、発表会の規模が大きくなるほどに、つまり見学者が多くなると、授業が行われる教室には見学者が入れなくなることが事前にわかってしまう。このため、あらかじめ場所を移して、普段の教室とは違うところに、にわか教室を設定することになる。

たとえば、体育館に机を並べる。周りは見学者で溢れる。普段とは違う時間割だったりもするので、授業者がチャイムを口真似して授業が始まる。寒い体育館に暖房器具を入れたりもする。

いつも通り、起立、礼、で始まるけれど、明らかに不思議な感じになる。なぜって、教室の壁が事実上ないし、壁面に貼られているはずのクラス目標、「学級だより」やクラスの集合写真といったものが一切目に入ってこないからだ。

くわえて、広すぎると教員の声が広がってしまい、生徒にだけでなく見学者にもよく伝わらない。そこでやむなくハンドマイクを手にしたりもするけれど、すると、ぎごちなさが助長される。だって、普段と様子が全然違うんだもの。

授業は授業者、生徒、教材だけで構成されているわけではない。馴染んだ教室、そこで何となく流れる「空気」、雰囲気も授業を左右する。ましてや、授業者は緊張しているし、生徒も基本的には教員を支えてあげようと思っているし、まあ見せ物である。

かくして、授業を見ようとすると授業に干渉して、本来の授業が見えなくなる。それを承知の上で、大挙して授業を遠方から見にくる意義は何だろうか。こんな不思議な儀式が、あいも変わらず行われ、少なくない血税が投じられている。こんな事態を大いに憂うべき、と言うのは私だけだろうか。
by walk41 | 2016-02-09 20:43 | 授業のこと | Comments(0)
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