昨晩から雨が続いている。猛暑のあとの雨、そして大きく下がった気温はあまり快適ではないが、これも一興と楽しめるのは、自分が精神的にも健康だからだろう。
さて、実は今回まであまり意識しなかったのだが、雨が降っても、しかも結構な勢いで降っていても、ここ南ドイツでは傘を差している人は決して多くないだろうことだ。例えば、学校にやってくる生徒たちを見る。ざくっと50人は見たが、誰一人傘をさしていなかった。バス通学の場合もあるけれど、家から出てくる生徒にも出くわしたよ。雨が降っているってわかってるだろうに、どうして傘をささないのかしらん。うーむ。
もう20年ほど前になるが、フランスをフィールドに研究していた知り合いがいたが、パリを案内された時に同じ光景を見て彼に尋ねたら、曰く、傘を盗まれるから、ということだった。その時はそうなんやって聞いたけれど、ここでもあまり変わらないように思う。
傘の代わりに雨合羽を着ている人もいるけれど、濡れっぱなしの場合も当たり前に見られる。風邪を引かないかしら。乳母車に乗っている子どもも合羽を着ているのを見たけれど。それとも、自分はちょっと雨が降るだけでも傘を差したがるからいっそう気になるのかしら。
雨に濡れて気になる/ならない、合羽では雨のまとわりつく感じが気になる/ならない、こうした身体感覚もはたして相対主義に委ねることができるのかしら、とちょっと仮説したくなった。