最近就職した人と話をする。いわゆる新人である。職場で「新人なんだから、もっと気を遣って」云々と言われることがあるらしい。それを聞いて思う。
①この言い方は、キャリアを積むほどに気遣いは必要のないもの、という論理を成している。
②こう言う人じしんが新人ではない点で、他人事として、自分はそこに含まれないことを前提にしている。
この2つを考えてみよう。①気を遣う方向にもよるが、キャリアの乏しい人には広く状況をとらえることが難しいので、気遣いはなかなか叶わない。よって、キャリアを積んだ人ほど気遣いをして、周りがより働きやすいように努めることが、良いマネジメントである、という考え方を排除している。②自分も社会を構成している一部(「新人なんだから‥」というような状況を作り出しているという)にもかかわらず、他人事として述べる、すなわち評論家に留まることに気づいていない。
つまるところ、①論理的な吟味を得ていない可能性がある、②自分に対する言及や考察が抜けている、点で愚かである。生物的な年齢のいかんにかかわらず、これを老害と言う。