久しぶりに芝居を観た。
地元の人がレッスンを受けて芝居に参加するという企画の一つだそうで、いわゆるプロの演劇ではない。それでもなお、酷かった。学芸会のレベルをさして超えるものではないと、私には思われた。それなりのチケット代を払って、である。
入場時にアンケート用紙が配られていたので、辛口もけっこう絡めながら感想を書いた。劇場スタッフに渡したのだが、その後でふと思ったのだ。これって、芝居をした役者さんたちに届くのだろうか、と。
もし、これが劇場スタッフだけに留まるのなら、私の書いたつもりとは大きくずれることになる。他の観客はどんなつもりで感想を書いたのだろうか。自分の声を届けたい人に届かないものを、せっせと書いていたことになる。そんなアホな。
昔、署名活動について似たような話をしたことを思い出した。署名するのは構わないけれど、この結果どうなったかについて自分に知らされることはまずないから署名はしないという人の意見についてだ。
意地悪に考えてみよう。みなさんの意見を募っていますよという格好を取りながら、その実、それが当事者に知らされなかったり、改善や改革に多少なりとも繋がらないのならば、それは事業評価が求められるからそうしているだけ、というアリバイづくりに過ぎない。評価への労力を求める分、えげつないとも言える。
さて、学校教育法には「小学校は、文部科学大臣の定めるところにより当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図るため必要な措置を講ずることにより、その教育水準の向上に努めなければならない」(第42条)とある。はたして学校に関する評価は設計されたように機能しているだろうか。
学校評価アンケート等はあまねく行われているけれど、それを受け止め、その後にいかに活かせているか、そもそも活かせるような内容として問うているのだろうか、自分の業界についても思わされる。どのように他者の意見を受け止めているか、と。