ドイツから来た友人と話す。
日本に住んだこともある彼女は少しばかりの日本語を解するのだが、次のように質問された。
駅かどこかで「お先にどうぞ」と年配の方に話した際に、「いいです」と言われ、了解したのかと思ったら、向こうに行ってしまったので、不思議だなあと感じていたということ。「いいです」は良いのだから、申し出を受けるという意味ではないのだろうかと。
なるほど。なぜそうなのかは説明できないけれど、「いいです」とは「結構です」と同じように、断りを意味していること、「いいですよ」ならば、了解したという意味だが、申し出に対する返答としてはふさわしくないこと、を話した。日本語話者ならば、「いいです」と「いいですよ」の違いを考えることはあまりないものね。
そう言えば、「結構です」と「結構なものを」、さらには「結構な速さ」も大きく意味が違うけれど、なぜそうなのかとたずねられても、私は答えられないなあ。ドイツで友人たちに、"Teil"(部分)という単語について、"der Teil"と"das Teil”と二つあるけれど、どう違うのかと尋ねたら、口を揃えて「わからない」と返ってきたもの。
その言葉の話者は堪能でばあるけれど、馴染みのない人に説明することができるわけではない、という点は共通するかもしれないね。