学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

negative capability

否定的能力、否定的なものに対する能力とも訳されると聞く、この言葉を最近知った。

今からちょうど200年前に、イギリスの詩人、ジョン・キーツが22歳のとき、以下のように二人の弟に送った手紙の一節にあるそうで、生涯に一度しか用いなかった言葉だという。誰が見つけてくれたのか、面白い発想に基づく言葉だと思う。

..I mean Negative Capability, that is when man is capable of being in uncertainties, Mysteries, doubts, without any irritable reaching after fact & reason. (人が、事実や理由を得ようといらいらすることなしに、不確実性、不可思議、疑惑のなかにいることのできる力、それを私はNegative Capabilityというのだと思います。)[https://www.lifeworks.co.jp/labo/2015_09_071001.html より拝借。]

このような言葉を知ると、いろいろと発想に広がりを持てる。たとえば、「すぐにわかるとは、否定的能力が低いという点で問題ではないか」とか「確実か不確実かをそれなりに見分けられる能力があってのことだろうな」とか、教育-学習の議論にも密接するテーマだ。

逆転の発想という点では、赤瀬川原平が造語した「老人力」にも通じるだろう。記憶力が落ちるのは、つまらないことを覚えておかないという能力が高まること、早く歩けなくなるのは、ゆっくりと世界を眺める楽しさを知るからこそ、と捉え直せば、老いることの何を嘆く必要があるだろうか、という話である。

啓蒙、啓発の時代が直前に迫っていただろう200年前のイギリスにおいて、不確実なこと、不可思議なことって、どんなことだったんだろう。





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by walk41 | 2017-08-13 12:45 | ことばのこと | Comments(0)
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教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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