授業の前日に連絡があるのはまだ早い方で、当日、しかもあと数十分、さらにはあと十数分で授業が始まるという時間に、学生から電子メールが届く。レポートを提出する回の授業だが、出せないのでどうすればいいか、また返信がほしいという主旨の連絡だ。
舞台裏の話だが、けっこう悩む。大げさでなく、疲弊する。インフルエンザなどの出席停止対象になる場合ならば問題はない。遅れての提出を認めざるを得ない。けれど、ややこしいのはそれ以外の体調不良、あるいは理由がはっきりしない欠席の連絡があった場合だ。
もちろん、学生も好き好んで体調不良になったわけではないのだから、認めてやりたいとも思う。けれど、そうすると期限を決めていること、ましてや提出直後に学生間でレポート交換を行うと周知している基準を守れなくなってしまう。「いいよいいよ」と応対するのは「優しい」のかもしれないけれど、すると残る圧倒的多数の学生は「正直者が馬鹿を見る」ことになってしまう。こうした公平さを欠くことは避けたい。
それでも、最低限その時間に授業に来た学生には、何とか理由らしきものを聞き出し、できるだけ前向きに対応する。それが、こちらのできる関の山かなと思う。だから学生のみなさん、電子メールでの連絡は便利だから活用してくれればいいけれど、そうすることが「救済」を同時に意味するわけでないこともしっかり心得てほしい。相手と「つながる」ことと、「了解を得る」ことは決して同義ではない。そもそも、メール事故もありうるから「つながる」ことすら確かではないということも踏まえてちょうだいね。