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学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

ギムナジウムがもっとも好まれた学校種(ドイツ語記事)

バーデン=ヴュルテンベルク州ニュース、20180124(https://www.baden-wuerttemberg.de/de/service/presse/pressemitteilung/pid/gymnasium-bleibt-beliebteste-schulart/)より

2017/18年の学校進学は、全体として見ればふたたび安定的である。91444人の4年生の44.2%はギムナジウムに進み、前年比0.4%と微増となった(2016年は43,8%、2015年は43,4%)。

実科学校も同様に34.2%と、昨年度33.7%から少し増加している。また、職業実科学校/基幹学校は引き続き、減少傾向が明らかであり、最新の進学率は5.7%(昨年は5.9%)である。さらに、「社会的な学校(GMS)」は昨年の13.4%から0.9%低い、12.5%が進学することになった。

保護者は引き続き、基礎学校からのアドバイスに従っている。

ギムナジウムに進むことを決めた生徒のうち、基礎学校から職業実科学校/基幹学校への進学を勧められたのは1.5%(昨年は1.3%)、実科学校への進学を勧められたのは11.3%(昨年は11.7%)、そしてギムナジウムへの進学を勧められたのは87.2%(昨年は87.0%)である。

また、職業実科学校/基幹学校への進学を勧められた生徒が24.9%(昨年は25.2%)が実科学校に、実科学校への進学を勧められた生徒が56.2%(昨年も同率)、ギムナジウムへの進学を勧められた生徒が18.9%(昨年は18.6%)をそれぞれ占めるのが、実科学校への進学である。これを受けて文部大臣Dr. Susanne Eisenmannは「学校選択の状況は、政治に対して、特別に高い生徒の異質性に適った学校として、実科学校に資源の追加を強化すべきことを示している」と述べる。

さらに、職業実科学校/基幹学校への進学を決めた生徒の91.3%(昨年は92.0%)が基礎学校のアドバイスに従っており、実科学校への進学を勧められた生徒が7.5%(昨年は7.4%)が職業実科学校/基幹学校に、またギムナジウムへの進学を勧められた生徒はわずかに上昇して1.2%(昨年は0.7%)が職業実科学校/基幹学校への進学者の内訳である。

社会的な学校(GMS)への進学を選んだ生徒の65.3%(昨年は64.3%)は職業実科学校/基幹学校への進学をアドバイスされ、26.5%(昨年は27.3%)は実科学校、そして8.2%(8.4%)はギムナジウムを勧められた。「それぞれのGMSに多様な生徒がいる状況から言って、ギムナジウム上級段階(11-12学年)をGMSに創設することにより、私たちは、この学校種に対する十分な展望を持つこと、さらには信頼を勝ち取ることができる」と文部大臣。 GMS West in Tübingen と Gebhardschule in Konstanz では、2018/2019年からGMSに初めてギムナジウム上級段階を設置することが可能となった。

基礎学校から中等学校への全体として安定的な進学状況は、学校大改革の時期の後、学校構造における静寂と信頼がもたらされていることを明らかに示していると、文部大臣。「我々はさらに、教育の質の向上とデータに基づく追跡に関する多様なアプローチを背景に、既存のデータをより正確に分析するつもりだ。これにより、追加的な資源プランをより負担少なく建てることができるだろう」と期待を示した。

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ドイツの学校制度に関わり少し補足する。ドイツでは基礎学校4年生を終えると、子どもは大きく分けて、ギムナジウム、実科学校、職業実科学校/基幹学校、社会的な学校、のいずれかの中等学校に進学する。この州では2011/12年以前は、CDU(キリスト教民主同盟)による政権のもと、基礎学校での成績にもとづく保護者に対するアドバイス(勧告)は絶対的なもので、それに従い、中等学校を選んでいた。これに対して、保護者の教育権を侵害するもの、あるいは子どのも能力を固定的に捉えすぎと批判をしていたGruene(緑の党)とSPD(社会民主党)が政権を獲得することにより、このアドバイスは保護者に対して義務的なものではなくなり、あくまでも参考として提示されるにとどまるようになった。その後、2016/17年の州議会選挙の結果、GrueneとCDUの連立政権になったものの、この位置づけは変わっていない。

今回のニュースは、ギムナジウムへの進学はこれを勧められた生徒が87.2%を占め、実科学校については同じく56.2%、職業実科学校/基幹学校については同様に91.3%の生徒が、基礎学校からのアドバイスに沿う進学行動をとったことを報じている。つまり、ギムナジウムと職業実科学校/基幹学校については、ほとんどの生徒がこれらの学校を勧められたことに沿ったのに対して、実科学校を勧められた子どもは分化しており、ギムナジウム、職業実科学校/基幹学校、そして社会的な学校(GMS)へと散らばっている。このことは、実科学校の教育の在り方に大きな影響を及ぼしているだろう。

また、GMSへの進学を決めた生徒のうち、職業実科学校/基幹学校を勧められた生徒が微増、ギムナジウム、実科学校を勧められた生徒が微減という状況は、「GMSからどのような教育修了(卒業)も可能」という政府のスローガンが現実味を帯びなくなる可能性も示している。日本では9年生まで「学力差」がない(はず、あってはいけない)という社会的な「無言の了解」が得られており、高校進学に至ってようやく、階層分化するのに対して、ドイツではこれが5年生に上がる段階で明らかになっている。このことの良さと拙さはそれぞれあるが、私は公然としているドイツに、勇気と「割り切り」を見る思いがする。






by walk41 | 2018-01-27 20:15 | Comments(0)
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