学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

寛容さー多様性を認める/求める

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州都の目抜き通りに、チェス盤を二枚広げて、通りかかる人相手にチェスをしている男性がいた。「寄付を」と小箱に記されていたので、何かの募金活動かと思いきや、https://www.stuttgarter-nachrichten.de/inhalt.schachspieler-vom-schlossplatz-schach-hat-mein-leben-gerettet.a2b8976f-9e3a-4986-9bfa-b853f4053352.html で2017年7月の地元紙記事を読んで、おおよそ次のような方だということがわかった。

ドイツ生まれのカザフスタン人の同氏は、長らく宿無しの生活をしたのち、職場で事故に遭い片目を失う。その後、悪い友人とアルコールによって「地獄のようだった」時間を過ごした。

しかし幸運にも、チェスを教え、チェス盤を贈ってくださった方がいたお陰で、チェスを通じて生活リズムを建て直し、すでに11年以上、アルコールを口にしていないのだと。ほとんど毎日ここに場所を構えて、通行人相手にチェスをしている。チェスすることで人との繋がりが持てる。ここにいることの市の利用許可も得ている。勝ったことを記した彼のリストは、増えるばかりである。

少ない日では4ユーロ、多くても一日、50ユーロほどの稼ぎだが、彼は仕事ではなく、自分と短い時間、チェスをしたことに対する寄付を求めているのだという。社会的な弱者向けの公共住宅(Sozialwohnung)に住む彼は「自分は物乞いではない」と、お金を乞うたり(この同じ日に、中央駅近くで「50セント(約65円)持ってないか。」と物乞いにあった)、瓶集めをする人とは違うことを強調する。「チェスは人生そのもの、時に黒、時に白だ」「ときどき、不幸な人もやって来るが、その時はわざと負けてやるんだ」とも語る人生哲学を持つに至った彼の遍歴を、何となく想像する。

なるほど、いわゆる大道芸人の延長で理解すればいいのだろうか。こうした人を認め、受け入れる社会のようなものに驚かされ、そこにあるだろう強い寛容さを思う。

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by walk41 | 2018-02-19 13:31 | ドイツのこと | Comments(0)
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教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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