学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

学校の実力

新学年が始まり、気持ちは早くも次年度の入試だろうか。週刊誌各紙は、高校ごとの大学入学者数を大見出しで連日掲載、どの高校に行けば有利かと煽るがごとくである。

けれど考えてみてほしい。「実力がひと目で分かる」(サンデー毎日、20180422号)と謳うけれど、学校に行くことで得られた受験結果は、どれほどだろうか。

多くの高校生が塾や予備校に日常的に通い、夏期講習などにも参加している。これらを通じて受験学力を期待できるから、賑わっているのだろう。現に、予備校の紙面やチラシは、合格した生徒の顔写真入りで満載、次の生徒獲得の広告塔である。

また、いわゆる家庭の教育力、つまり、高校生たちが過ごしている家の経済的・文化的状況(勉強に充てられる時間、集中できる静かな部屋があるか、購入できる教材の上限、受験に理解があり加えて支援的な保護者の存在のいかん、受験に際しての選択肢の幅、受験での言語コードとの親和性といった)も影響する。本人ではどうしようもない条件や環境が、受験に肯定的・否定的に働くことは、容易に考えられるだろう。

これらのいわば残りとして、学校の実力が位置する。そこで考えられるのは、教員の授業力や進路指導力もあるだろうが、クラスメートとの情報交換といったインフォーマルなネットワークである。後者は、「学校の」というよりも「学校を通じた」と言うべきではあるが。

これらを考え合わせると、各学校の実力とははなはだ心許ない。メディア各社とも、このことを承知の上だろうなのに「公平な競争の結果」かのように報じるのは、けっこう罪深いものである。

乱暴な単純化をすれば、「出来る子」がそうした子の集まる学校に行き、上級学校へと送り出されているだけーこれで多くの事実が説明できるのではないだろうか。

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by walk41 | 2018-04-10 11:12 | ことばのこと | Comments(2)
Commented by じゅくせんまさや at 2018-04-10 15:08 x
こんにちは。全くその通りだと思います。
高校の実力を言うなら、むしろ底辺校の実践とか、
せめて、入学時の成績がこれだけ伸びましたというのが適切だと思います。
ただ、これでは週刊誌は売れないでしょうけれど。
Commented by walk41 at 2018-04-10 18:20
お久しぶりです。お元気でお過ごしでしょうか。

仰るとおりですね。だから、学校の実力と啖呵を切るのならば、それこそ、入試で下位の順に合格にして、その三年後を見てくださいと言えるようであればいいですね。

もっとも、これで「有名校」になれるかどうかはさておきですが。かくも、(学校)教育って、勘違いの上に成り立っている面白いもの、とも思います。
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教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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