大正時代に大学の応援歌として始まったという「三三七拍子」の話を家人にしたら、「なんのことかわからない」と返ってきた。「いや、チャンチャンチャン、チャンチャンチャン、チャンチャンチャンチャン、チャンチャンチャン、って3、3、7になってることで」と言ったら、「それって、四拍子のことやね」といささか驚き顔で言われた次第だ。
確かに、チャンと強拍が来て、次に弱拍が二つ、ひと拍あいて、またチャンと強拍がくる。四拍子だ。また、「七」の箇所は、強拍のあとに弱拍が三つ、なるほど、これも四拍子で合っている。
聞くと日本で馴染んでいる歌の多くは四拍子だそうで、「荒城の月」や「蛍の光」「君が代」もそう言われればわかる。となれば、「三三七拍子」で言う拍子って何のこと? 少なくない人々には、きっと連続する音の意味で捉えられているのだと思う。
このありさまでは、音楽教育の敗北と言うべきか、今風に言えば、音楽のコンピテンス獲得に成功していないということか。はたまた、タフな学習者によって、勝手に理解されているという辺りだろうか。