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学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

学生の教職志望 Wunsch von Studentinnen Lehrerinnen zu werden

大学で同僚と話す。同じ教育大学に務める身として、学生の教職志望をどう見るかという点についてだ。

私からはこんな話をした。日本の教員養成制度の特徴であるいわゆる開放制が影響して、教職資格を得るための条件、具体的には単位数が少ない(日本では一種免許状の場合、最低51[幼稚園〕、小学校以上で59単位に対して、ドイツでは州によるものの、初等学校教員養成の場合、例えば学士課程で180、修士課程で120、合計300単位(Leistungspunkt)である)。

このため、特に「一般大学」で多く行われている中等学校教員の養成については、専攻分野への付け足しとして教職課程が履修されることが多く、教職志望も低い場合がある。たとえ、教育大学に来ている学生でも、必ずしも教職を志望していない場合があり、大学としては悩ましいことだ、と。

いま南ドイツにいて、今まで見えていなかった、当たり前のことに気づかされる。言語教育または算数・数学教育に関する履修が51、教科・領域に関する領域選択必修が51、教育学が30、心理学が18、卒論・修論が合わせて21、学校実習が30(学士段階で15週間)といった、量的に圧倒的なドイツの教員養成制度であるから、学生も教職を専攻すること(他の分野でもおそらく)に覚悟を要するのだろうと。いわば「退路」を絶つことで自身を方向づけるのではないか、ということである。

これに対して、日本は、戦前の師範学校批判が苛烈であり、その結果、「良い教員とは教員らしくないこと」さらには、「熱心に教員養成に臨まないことが良い教員養成につながる」といった、矛盾する信念も生み出してきた。さらに私立大学を含む教員養成を行う(有資格者を多数輩出できる仕組み)ためには、必要単位数を大きく引き上げることが政治的に難しかったのだろう。とりわけ中等学校教員の養成については「付け足し」(教員にもなれる)の域を出ない条件設定に留まってきたと思う。

もっとも同僚は、日本とドイツ(とはいえ、バーデン−ヴュルテンベルク州に即してだが)の仕組みの大きな違いに驚く一方で、あわせて私が話した学生の様子、たとえば、学校実習に遅刻する、不十分な準備のままで授業に臨もうとする、といった怠学傾向については、ここでも同様のことが見られると話し、二人してうなづいたことだ。この点はひょっとして共通するのかもしれない。



by walk41 | 2019-01-10 17:46 | ドイツのこと | Comments(0)
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