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学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

「らしい」という表現

京都新聞、20190315の投書欄、78歳の女性がエスカレータを二列で利用することについて、「外国ではエスカレータは歩かないらしい」と記している。明らかに間違いだ。

ヨーロッパでの私の少ない経験の限りでも、歩かないのは混んでいて歩けない状況においてのみであり、歩く人のために片方を開けておくのがマナーとすら言い得るかと思う。「らしい」とはどこから聞いたのか、本人すらよくわからないままに「そうなんやって」と流布している可能性がある。

世間話にいちいち口を出すのは上品ではないが、投書といえども公器の新聞、まことしやかに伝わることを防ぐ責務があると、私は考える。

ちなみに、投書の御仁は「急ぐ人は階段を駆け上がればいいのだ」と言われるが、長い階段の場合、これを忌避する気持ちは、自身を鍛えるためと自覚的な人除けば、おおむね共通するのではないだろうか。ましてや、荷物を携えているとその自覚もくじけがちだ。

乱暴な話だが、エスカレータの速度を上げれば、歩く人は減るかと思う。ドイツのある街で、びっくりするような速いスピードのエスカレータに乗ったことがあるが、怖くて歩くどころではなかった。クルマに乗っていて、飛ばしていくクルマを見たからといって、自分も加速する人は決して多くない。エスカレータの横で歩く人を見て、その速度と変わりない様子に苛立ちを感じるから歩こうとする、という仮説は支持されるだろうか。



by walk41 | 2019-03-15 12:44 | ことばのこと | Comments(2)
Commented by よなす at 2019-03-18 03:01 x
さかきばら先生こんにちは。

すっかり笑ってしまいました。
そういえば、ぼくの同僚にもおもしろいことをいう人がいました。「ドイツではスリにあったりして危ないから、みんなセカンドバックをもってるらしいね。やっぱり日本が一番安全だよなあ。」と。
・・ぼくの住む街で見る限り、リュックを背負った人ばかりです。

また、「日本はみんな同じような格好してるけど、海外は違うんでしょ。」と。
・・多様な背景を持った人たちが住んでいますから、日本にいてあまり見かけることのない服装をしている人もいます。でも、男性ならブルージーンズにジャケット、革ジャンという着こなしが8割に上るのではないかと思うほどです。

いっそのこと、「~らしい」話は笑い飛ばしてしまうのがよいかなとおもいました。
「海外には人間がいないらしいね。」といえば、どれくらいの人が「え!そうなの?」と言ってくれるでしょうか。楽しみです。
Commented by walk41 at 2019-03-18 09:40
よなすさんへ

コメントをありがとうございます。よなすさんはまだドイツ在住なのですね。そちらも次第に春めいてきたのではないでしょうか。

さて「~らしい」という言い回しについて、そう言う本人には「~だ」と断定するには自信がなく、かといって自分の立論を支える材料としては言いたい場合に、用いられるのではないかと思います。

なので、よなすさんが仰るように、「笑い飛ばす」べきで、構うべき相手ではないということになります。言いたいのにちゃんと調べもせず、かといって言いたい欲求からは離れられない、いわば中途半端な人なのですから。

とはいえ、そんないい加減な物言いがまことしやかに流されているのを黙っていることもできず。いつまでも大人になれずで困ったことです。私は、研究は怒りから始まるとも思っていますが、研究を続けるとは好々爺になることとは反対なのかもしれませんね。
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榊原禎宏のブログ(Yoshihiro Sakakibara Blog) 教育学の一分野、学校とその経営について考えます(um die Schule und ihre Verwaltung und Management)
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