学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und Schulmitglieder

カテゴリ:大学のこと( 22 )

教員養成の期間と学修量 Dauer und Leistungspunkt in der Lehrerbildung

ドイツ常設文部大臣会議(KMK)による「教員養成の現状」(2017年3月)を見る。

たとえば、基礎学校(4~6年間)で働く教員になるための大学での養成については、次のようだ。
バーデン=ヴュルテンベルク州:8学期、240LP(1Leistungspointは、25~30時間の学修時間を指し、日本の1単位はおおよそ1LPに相当)
バイエルン州:7学期、210LP
ベルリン州、ハンブルク州:10学期、300LP
メクレンブルク=フォアポンメルン州:9学期、270LP

翻って、日本は2年制の短期大学ならば62単位以上、大学ならば124単位以上、各大学が定める卒業必要単位数はもう少し多いだろうが、それでも140単位を超えることは少ないだろう。ならば、日本で教員になるために必要な学修量は、ドイツでのそれと比べて、半分以下(140/300)、せいぜい3分の2(140/210)に過ぎないということになる。つまり、この比較の限り、日本の教員養成の負荷はとても小さい。

そもそも、100数十単位を取るのに、なぜ4年間も必要なのだろうか。その点は大学史の専門家に伺いたいが、とまれ、在学期間だけでは学修量はわからないから、年数だけではほとんど議論に値しない。なのに、「6年制教員養成が必要」とか「フィンランドでは修士課程を経て初めて教員になれる」といった乱暴な話が、まことしやかに跋扈するのは、なぜだろうか。

Liest man ein Dokument "Sachzustand der Lehrerbildung" vom KMK mit dem Thema im Maerz 2017, ist z.B. die Dauer undLeistungspunkt in der Hochschule je nach der Laendern gezeichnet. Um die Lehreinnen an der Grundschule zu werden, muss man 8 Semester mit 240 LP in Ba-Wuer. studieren. Ebenso ist es 7 Semester, 210LP in Bayern, 10 Semester,300 LP in Berlin und Hamburg oder 9 Semester, 270LP in Meckllenburg-Vorpommern.

Dagegen ist die Vorschrift um die Lehrerbildung in Japan so geschrieben, dass man mehr als 124LP mit wenigstens 4 Jahren(8 Semester) in der Hochschule und 62LP wenigstens 2 Jahre(4 Semester) in der junior Hochschule. Das bedeutet die Belastung beim Studium in Japan ist sehr leicht, das ist eveutuell wenigster als half voll(140/300), hoechstens zwei drittel(140/210), mit dem Vergleich das in Deutschland.

Eigentlich habe ich keine Ahnung, warum man braucht 4 Jahre lang, um ca.140 LP zu kriegen. Das muss man die Historiker der Hochschulgeschichte fragen. Auf alle Faelle ist das fast alle sinnlos nur mit der Dauer in der Hochschule zu disktieren. Hingegen warum taucht die Erzaehlung, wie "6 Jahre lang Lehrerausbildung ist benoetigt" oder "in Finnland kann man erst mit dem Abschluss des Master Studiums die Zertifikat als Lehrerinnen bekommen" als ob, sie die wichtige Thesen sind auf?





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by walk41 | 2018-06-23 21:49 | 大学のこと | Comments(0)

見て見ぬ振り ein Auge zudruecken

近々の伝聞話として聞く。ある大学院の授業で暴言を繰り返す教員に苦しめられている学生が、別の教員に相談に行ったところ、そんなんではあなたも大変だから、大学院を替わったら、と言われたそうだ。何という素晴らしいアドバイス、見て見ぬ振りを文字通り実践している大学教員がいることに愕然とさせられ、憤る。

Neuerdings habe ich gehört als ein Gerücht. Eine Studentin, die zu einem Seminar von der Hochschule gehört und sich von der sprachlichen Gewalt einer Dozentin schwer leidet, hat dieses Problem zu anderer Dozentin erzählt. Dann hat die eine unerwartete Antwort von ihr gekriegt. D.h. es sei schade für sie und sie solledie Hochschule zu anderer wechseln. So, eine wunderschöne Reaktion bei der Dozentin! Das enttäuscht mich sehr und dafür ärgere ich mich, ueber die furchtbare Situation in einer Hochschule.



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by walk41 | 2018-06-23 14:23 | 大学のこと | Comments(0)

教職に就くということ

教員としての力量を身に付けるとはどういうことか、そもそも教員らしいとはどういうことかといった、実践には直接に役立たない問いは今や御用にあらず、いかに教員採用試験をクリアするか、が大学の効用として求められ、それを数値的に説明することが当たり前の光景と化している。

けれど、資格試験と違って採用試験は需給関係に左右されるから、採用されるかどうかはかなり相対的であり、地域差、時代差が大きい。民間ベースでネーミングされる「就職氷河期」に思うように就職できなかったからと言って、能力が低いとは判じられないのと同じである。

また、新規卒業後、すぐに就職できなければ採用者にカウントされないというのも解せない。一年くらい大学とは別の経験をしてみようと思うのは、そんなに否定的なことなのだろうか。その一方で、常勤講師等は数に入れてよいというのだから、何のこっちゃである。いったいどんな意味を持つ数値なのだろう。

くわえて奇妙なのは、一度、教員として就職すれば、それは「教職に就いた者」として数えられたままになることだ。私だけだろうか、大学卒業後、一度は教職に就いたものの、色々な事情や考えから、三年以内に離職した人を数人知っている。男女差もあるようだが、これは教職世界に送り込んだという点で、十分とは言えない。教育委員会サイドから見ればきっと、「もったいないなあ」「ややこしい話やなあ」だろう。良くも悪くも、しっかり教職に就いたとまでは言えない。

だから提案、もし教職にどれだけ就いたかを問題にするのであれば、卒業後数年間のうちに採用され、かつたとえば、その5年後も留まっている人の数を数えて、卒業者数に対する教員就職率と称してはどうだろうか。大学にとって教育委員会にとっても、そして文部科学省にとっても、今よりもっと中長期的な発想が求められることだろう。

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by walk41 | 2018-05-16 18:35 | 大学のこと | Comments(0)

大学の連携先

教員養成の単科大学に勤めているせいか、同じく教員養成に関わっているとはいえ、総合大学の教育系学部の様子については、知らないことがきっと多いのだろう。こんな記事を目にして驚いた。

…秋田大学教育文化学部及び大学院教育学研究科と秋田刑務所は、それぞれの持つ人材、知識、情報などの資源を活用して相互に協力することにより、再犯防止推進法等の推進、人材の養成に寄与することを目的として連携協定を締結しました。

主な連携内容は、学生の人材養成(公認心理師養成に伴う講義や実習に関すること)や教員の共同研究(受刑者の特性に応じた改善指導方法の検討)など。(中略)

武田学部長は「秋田刑務所とはこれまで教員の研究面での交流は行われていた。平成30年度から心理学の初の国家資格である公認心理師養成のカリキュラムが開始されることを受け、学生が矯正領域での心理学を学ぶ場としてさらなる協力を仰いでいきたい」と述べました。五十嵐所長からは「大学の研究のノウハウを反映させていただくことによって、受刑者の改善指導のプログラムに対する効果検証等、より良いものとなっていく。再犯の防止に向けてさらに取り組んで行きたい」と挨拶がありました。(後略)…(「秋田大学広報誌<アプリーレ>No.59、2018)





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by walk41 | 2018-04-23 23:00 | 大学のこと | Comments(0)

女子大学のジレンマ

女は大学に行くな、という時代があった。
専業主婦が当然だったり。寿退社が前提だったり。
時代は変わる、というけれど、いちばん変わったのは、
女性を決めつけてきた重力かもしれない。
いま、女性の目の前には、いくつもの選択肢が広がっている。
そのぶん、あたらしい迷いや葛藤に直面する時代でもある。
「正解がない」。その不確かさを、不安ではなく、自由として謳歌するために。私たちは学ぶことができる。
この、決してあたりまえではない幸福を、どうか忘れずに。たいせつに。」

神戸女学院大学の電車内広告だ。なかなかパンチの効いた、私好みでの真っ当な広告だと思う。

けれど難しいのは、この大学が男女共学ではないこと、またこう謳うけれど少なくとも当面は共学にならないだろうことだ。「女人禁制」と対をなしている「男子禁制」の一例としての女子学校は、女らしさ、良妻賢母などを多分に理念に含んでいる。この大学も学費の高い「お嬢さん大学」だとも聞く。全ての人に門戸が開かれている訳ではない。

自由になるとは、既存の理念や制度を問い直し、別のそれらを探すことでもある。けれど、これまでの学校イメージ、ある意味でブランド性を放棄することはできない点に、大学という場に立てられる理念と大学経営とのズレを見る。

以前の拙ブログで、平安女学院大学の電車内広告を例に、貴婦人を育てるかのようなイメージを打ち出す一方で、就職率100%を謳うことの不思議さを述べた。構図は違うけれど、今回の例も女子大学の抱えるジレンマかと、広告を見ながら感じた。



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by walk41 | 2018-04-21 06:36 | 大学のこと | Comments(0)

教員就職率

この指摘は、おそらくどなたかなさっているだろうから、珍しいものではないと思う。けれども、およそ論理的に意味があるとは思われない数値が公表され、データとして一人歩きすること恐ろしさを感じるゆえ、強調したい。

文部科学省がまとめる「卒業生の大学別就職状況(教員養成課程)」がある。教員養成大学・学部関係者には馴染んだ、また頭の痛い数値だが、大学ごとに卒業生のうち何人、何パーセントが教員として就職したかを示している。大学単位に数値を並べ替えさせて、どの大学が教員就職に強いか、あるいは弱いかを噂話させ、大学の宣伝や「もっと頑張れ」メッセージの材料にしようというものだ。

このデータの問題は次の点にある。これだけ問題のある統計も、少ないのではないかと思う。

①データの括り方が不適切。ここでの教員としての就職は、学校の幼稚園、初等・中等教育学校の教員(養護教諭、栄養教諭を含む)として採用、および臨時的任用(病休、産休、育休などの代替教員等として任用)された場合を合わせたものである。たとえば、前者が6割、後者が1割の場合と、極端だが両者が逆の場合、意味はまったく異なるにもかかわらず、数値としては同率になる。ちなみに、ここで任用とあるが、任用とは公務員の場合のみ該当する行政用語、私立学校に採用された場合は含まれるのだろうか。

②資格取得と就職との区別がない。教員としての就職は、教員資格の取得とは別物である。たとえば、ドイツのように州政府が試験を行って教員資格を認定する場合は、試験が同一だから、その合格率を競うことに意味がある。日本では医師免許や看護師免許がこれに相当する。しかし、日本の教職課程は課程認定制度のもとでの「開放制」と大学での単位取得によって免許要件を構成するから、大学間の差異をなくせない限り、比べても意味がない。それを敢えて比べるのならば、大学入学者に対する卒業者(免許取得者)の割合を並べることは可能だろう。つまり、4年間でしっかり単位を取らせて卒業させた大学ほど優れているという評価である。けれど、はたしてこれは適切だろうか。

③就職者数は採用者数であり、変動する。②とも重なるが、教員への就職は、主として公立学校を人的に管理する都道府県と政令指定都市の教育委員会の採用数に依る。教職人口ピラミッドを大きな背景に、各年度の採用者数が決められるのであり、35年間ほどの年齢層を含む教員構成に対して、大学ができることはほとんどない。大学が頑張ろうと(逆に言えばそうでなかろうと)採用数の前にはどうしようもないからだ。景気が良くなれば卒業生の採用率は高まり、景気が悪くなれば低下するのと同様である。いずれの分野であれ、大学の努力が採用数に直結するわけではない。

ちなみに「○○大学は教員養成を熱心にされているので、無条件で○人は採用しましょう」といった、贔屓も見込めない。戦前の指定学校や許可学校の制度を復活させるならば話は別だが、大学間の平等性を前提にする限り、無理な相談である。

以上のような無茶をはらみながら、数値化され、もっともらしいデータとして跋扈することになる。「ウチは教員就職率○年続けて、上位三位に入っています」と高校生向けの宣伝に使われたり、「ウチは下から数えた方が早いくらいだから、教員採用試験を意識した授業に励むように」と教授会あたりで発言があるかもしれない。

こんな状況を放置して恥ずかしげない官僚主義の悪弊(一度決めると、簡単には変更しない)、あるいはこのデータの発案者と支持者の学力の低さに愕然とする。こんなものを比べても仕方ないやん。



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by walk41 | 2018-02-15 14:15 | 大学のこと | Comments(0)

ハッピーに終われない

授業も大詰めを迎えた。レポートが提出され、学生間でコメント交換をし、私も読んでコメントをくわえて、学生に返すまでに達している。「失礼な学生」で記したようなことはあったにせよ、それ以外は期日をしっかり守って臨み、よく励んだね、とハッピーに終わるはずだった。

ところが、蓋を開けるとそうではなかった。その理由では期限内にレポート提出できないことを認められない、提出しただけでコメント交換をしていなければ最終までたどり着かない、と伝えていたにもかかわらず、あるいは、前回の授業から1週間もあったのにその間、何も連絡をせず、なぜこの段に至って、という学生が現れるのだ。これはいったいどういうことだろう。

家人に愚痴ると、レポート提出と合わせてコメント交換をある授業時間に限ることが遠因ではないかと言う。確かに、その時間に来れない場合がある、ましてやこの寒い冬の時期に体調を崩すことは十分にありうることだろう。とはいえ、圧倒的な学生はそれに間に合うように段取りをして当時に臨んでいるのだから、不公平が生じるのではないかといたく懸念する。

また、大学時代の経験で提出したレポートが返ってきたケースはほとんどない中で、レポートを返すことを盛り込むからこうしたことが起こる(出しっ放しにすれば、期限内であればいつでも出せるのだから、の意味)のではないかとも指摘されたけれど、大昔の自分の経験、出しっ放しの不快さを繰り返したくないから、それはできない、そもそも学生へのフィードバックにならないと、是とはできない。つまり、極力この時間に来てもらわなければならない。

ブラックとも言われるアルバイトに従事している場合もあるだろう。他の授業での負荷で体調不良になることもあるだろう。けれどその上で、予め指定した日時には、どうにかでいいから「帳尻を合わせる」ことも一つの能力だと思うのだ。段取り力がより問われる教職に関わる授業ならばなおさら。

とまれ、そんなこんなで著しく消耗することになった。大上段に構えれば、授業は教員と学生との二人三脚で作っていくものだろう。ならば、互いの信頼と努力に基づかず何が授業かということになる。一つの授業の形として、学生たちには「こんな変な授業もあったなあ」と思い出してもらえるようであれば、嬉しく思う。



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by walk41 | 2018-01-23 13:08 | 大学のこと | Comments(0)

「失礼な学生」

オヤジだなあと陰口をたたかれかねないような、「若者は失礼」とか「学生は失礼」とは言わないが、「失礼な学生」は残念ながら存在する。ここで言う「失礼」とは、いわゆるマナー違反という意味よりも、いたずらに他者の手間ひまをかけさせる振る舞いを、わざわざすることを指している。次回以降の履修する学生に周知するためにも、以下、事例を記しておきたい。思い当たると思う学生には、ぜひ振り返ってほしい。

○レポート提出の日、肝心のレポートを持参していないことを申し出ず、授業者がどうしたのかと声を掛け、無言でいる様子に、さらに授業者が「出せなかった理由を何とか立論、説明できないのか」と「弁明」を促す事態。

○理由を認めた上でのレポートを持参すべき約束の時間までに現れず、夜になって部屋に戻ると、メモも付けられずレポートが投げ入れられていた。その後、このことの説明もなく、何よりも提出後に学生がすべき「レポート交換」に進めないにもかかわらず、そのまま放置。

○授業が始まる十数分前に欠席の連絡、「レポートを出せないのでどうしたらいいか、連絡ください」と返信を要求。

学生にも事情があるのかもしれない。けれど、ちょっとした配慮でできることもあるはずだ。気をつけていても他者の手を煩わせることがあるのだから、互いに忙しい身でもあるのだから、より丁寧に関われればと思う。



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by walk41 | 2018-01-20 00:30 | 大学のこと | Comments(0)

「お疲れさまです」

学部2回生かと思う。大人数の講義の受講者だが、いつも懸命に臨んでいるという印象を与える学生だ。

授業とは別の時間に、その君をキャンパス内で見かけた。「あっ、いるな」とこちらが認めると同時に、こちらを見て「お疲れさまです」と頭をペコリ、挨拶をしてくれた。

学生から労われるのも不思議なことだが、ちょっと嬉しい。

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by walk41 | 2017-12-05 14:30 | 大学のこと | Comments(0)

大学の授業の作法

大学の授業を見せてもらう機会を得た。実践的な内容を扱う授業と聴き、現職教員のいわゆる実践がどのように咀嚼され、限定的ながらも知見がいかに導出されるのか、を楽しみに伺った次第だ。

ところが授業は、そのように進められなかった。まずベテラン教員がこれまで勤務校で臨んできた事例が複数出され、まだ教職に就いていない学生がこれらを要約したのち、それぞれが感想を述べるという、はなはだ失礼ながら、知的な営為がなされたとはとても言えない時間が過ぎたように思う。

具体に入れば、教員の数だけやったことはあるのだから、それらを説明するのにかなりの時間を費やした。こんなやり方があるんだと知ることにも意味はあるけれど、それらは事前に読めるようにしておけば済むことだろう。

せっかく集まっている時間を有効にするには感想ではなく、何が論点なのか、何をどう広げ深めるのかと、より原理的に哲学するための問いかけと発言の交通整理が不可欠だ。にもかかわらず、その条件を満たす授業ではなかったことを残念に思う。なぜ「では、一人づつ感想を言っていって下さい」といった進め方をするのだろう。

教育系の大学や大学院では、今や「理論と実践の往還」が強調される。けれど、より傾注すべきは、①「具体と抽象の往還」あるいは②「主観と客観の往還」と言うべきである。

①規則的に行為する訳ではない人間という不安定な変数、しかもそれが少なくとも二人での教育ー学習関係、多くは集合や集団といったダイナミクスを伴う場に、再現性、普遍性を前提にする理論という言葉はふさわしくない。そうではなく、具体的な個々の事柄がどのような事態や意味、機能として理解されるのか。つまり、論理化されるのか、また反対に、どのような論理的命題が具体をいかに説明しうるのか、を問うことが重要である。なぜなら、私たちの行為の幅を広げる(大げさに言えば、より自由になる)上で、経験第一主義に陥るのは危険だからであり、また「頭でっかち」な原理主義に偏しても問題だからである。

②短時間で状況が変化する、そこに当事者の意思決定と行為が重なる教育ー学習の場面では、思い込みや勘違いが頻発する。その歪みを補正するのは容易ではなく、かと言って客観的に認識する方法が明瞭な訳でもない。そこで取りうるのは、自身の認識がいかに主観的でありうるかを振り返り、より客観的な認識を導くための相対化である。そしてこれを促すために「意味ある他者」と各々の見方を交差させる必要がある。

こうした作法を大学で身につけること、もってより戦術的、戦略的な教員へと自身を鍛えることの重要性が、確かめられるべきではないだろうか。


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by walk41 | 2017-12-01 18:45 | 大学のこと | Comments(0)



榊原禎宏のブログ(Yoshihiro Sakakibara Blog) 教育学の一分野、学校とその経営について考えます(um die Schule und ihre Verwaltung und Management)
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