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学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

カテゴリ:ドイツのこと( 540 )

安定して壊れています immer kaputt

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初秋の南西ドイツのある街の駅、エレベータが壊れていました。まあ、だいたいこんな感じです。

振るっているのは、故障を示す立派なシールが貼られていること。こんなことに労力を割くのなら、さっさと直してよと思います。

同じく、エレベーターに乗ろうとしていた、大きなスーツケースを抱えた初老の女性がくそったれとつぶやいたので、まさにドイツですね、と口を挟んだら、全くその通り、と返ってきました。やれやれ。



by walk41 | 2019-09-16 04:50 | ドイツのこと | Comments(0)

「ヘリコプターペアレンツ」 "Helikoptereltern"

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2019.9.7付、Stuttgarter Zeitungの記事から。

「学校は保護者タクシーへの対応に苦慮」という見出しである。保護者タクシーとは、保護者が自身の子どもをタクシーよろしく学校まで送り迎えする様を指している。ドイツでは、ヘリコプターペアレンツとも呼ばれる、「我が子かわいい」の保護者が増えており、学校への送り迎えを自家用車で行うのみならず、さらには路上にクルマを止めたまま、子どもを教室まで連れて行く保護者が現れていることが問題となっているのだ。

全ドイツ自動車クラブ(ADAC)は、こんにち20%の保護者が自分の子どもの学校への送り迎えをしているという調査結果を示している。数十年前であれば、クルマでの送り迎えはまったくレアケースであり、子どもはどんな天気でも歩いて学校に行ったものだと述懐する人もいる。また、ADACが保護者にその理由を尋ねたところ、学校に間に合わないからという回答は少なく、もっとも多い理由は、登下校時の危険が懸念されるからとのことである。皮肉なことに、徒歩での登下校よりも、クルマ絡みの事故の確率の方が高いのだが、と記事。

いくつかの街では、写真のような、保護者のクルマを止める場所と時間を示した標識を設置しており、公共バスがバス停に近づけないといった惨状を改善するのに効果を発揮しているという。保護者のクルマが酷いときには二重に縦列駐車し、バスの運行に支障が出ているのだ。「これはもはや社会問題であり、保護者にはクルマで子どもを送り迎えさせないようにすべき」と主張する論者もいるが、保護者にこの声が届いているとは思われない状況である。

日本の「モンスターペアレンツ」とは少し趣きが違うかもしれないが、ドイツにおいても類する保護者の存在は、学校にとってさぞ頭の痛いことだろう。


by walk41 | 2019-09-09 19:16 | ドイツのこと | Comments(2)

ドイツから見たキモノ Kimono aus der Sicht Deutschland

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ドイツの南西部に位置するBaden-Württemberg州の州都Stuttgartに、民俗学博物館がある。そのHPを見ていたら、この月末、「日本におけるプロパガンダとしてのキモノ」という企画と講演の行われることを知った。

紹介文によると次のようだ。1894/95の日清戦争から1932/44にかけての中国戦争、太平洋戦争の時期、日本では戦争を主題にした着物が作られた。これは、国家による戦意高揚のための政治的宣伝(プロパガンダ)として機能したのか、あるいは日本の伝統、はたまた大した意味を持たないファッションモードだったのか。

今回、46点の着物を借り受けることができた、また、ミュンヘン大学で民俗学修士号を得て、同大学で授業も担当しており、地域的には日本を専門とするKlaus J. Frieseが「戦争における美学」の観点から講演を行う予定である。

日本の戦時の生活には、戦争を色濃く投影した湯飲みや扇子までもあったことが知られているが、1万㎞ほども離れたところで、こうした関心を持たれていることを興味深く思う。文化的文脈が異なる立場からの、事実の切り口の共通点と相違点は、どのようなものだろうか。



by walk41 | 2019-09-09 04:36 | ドイツのこと | Comments(0)

多様性を増すドイツ社会 mehr abweichende Gesellschaft in Deutschland

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ドイツでは、2019.9.1に二つの州、ブランデンブルク州とザクセン州で州議会選挙が行われ、暫定結果が報道されている。これをザクセン州(州都ドレスデン、人口およそ400万人)について、5年前の2014年選挙との比較をすると、上のようである。

連邦議会で連立を組む、CDU(キリスト教民主同盟)とSPD(社会民主党)は、得票率をそれぞれ約2割と約4割減らした。いずれも大敗と見なせるだろう。また、Linke(左翼党)は45%減らし、ほぼ半減と言っていいほどの惨敗である。

これに対して、AfD(ドイツのための選択)は3倍近く増やし、大躍進を遂げた。また、環境政党のGruene(緑の党)は5割の得票率増を果たした。さらに、FDP(自由民主党)は5%に届かず、今回も議席を得ることができなかった。

歴史的にドイツ政治を主導してきたCDUとSPDが退潮、とくに歴代首相も数多く輩出したSPDの得票率が2桁を割ったことは衝撃的である。また、旧東ドイツの共産党の流れも汲むLinkeは、第3党の地位は維持したものの、大きく議席を減らすことになった。なお、Grueneは第4党へと伸びている。

今回の選挙でCDUに並ぶほどの得票を得たAfDは、「ドイツ的価値」を重んじ、難民問題では排外的な態度を示している。旧西ドイツでは、1950年代終わりから「お客さん労働者」(Gastarbeiter)をイタリア、トルコ、ギリシャを始め多くの地域から「外国人」を迎え、1990年代からは旧ユーゴスラビア諸国や旧ソ連からも多くの移民を受け入れた経験を持っている。これに対して、「鎖国的政策」を採っていた旧東ドイツでは、「外国人」の経験が乏しい故に、難民問題に敏感に反応しているのだろうか。今回の投票率は66%、AfDがこれまで投票に行かなかった人を動かしたとの分析(Spiegel Onkine)もあるが、投票行動の大きな変化が起こっている。

かくも有権者の意向が多様な社会では、連立政権を余儀なくされるばかりか、どのような組み合わせになるかが大きなテーマである。これまでの常識ではあり得ないAfDが政権入りするのか、第4党とはいえ政権のキャスティングボートを握るGrueneはどう動くのか。右派-左派という軸だけで政権を語れない状況が、ドイツではいっそう進展している。

by walk41 | 2019-09-03 11:46 | ドイツのこと | Comments(0)

eスクーターの未来 Zukunft des E-Scooters

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Zeit Online 2019.8.11記事。電動スクーターを取り上げている。街の公共交通の穴を埋める手段として提供されているものだが、その効用はあまり期待できないようだ。

この記事によると、ドイツでは今年の6月から登場したeスクーターは、これ自体のエネルギー効率(ここでは、輸送量に対する二酸化炭素の排出量の割合)は決して悪くないものの、この道具を夜間に回収して充電し、また配置するための輸送コストを含めると、軽ワゴン車に劣る。また、想定されている本体の耐用期間が1年ととても短く、アメリカやドイツで観られるバンダリズム(破壊行為)を考慮すれば、それはより短くなる。また、回収コストの最適化、平均5キロメートルという一日あたりの走行距離を延ばす必要といった課題もあり、現在のところは、旅行客が1回あたり2キロメートルを利用するくらいしか効用が認められない。自転車の方が便利だろうと締めくくっている。

一度、ワルシャワでeスクーターを試したことがあるが、1キロメートル少しの走行で400円ほどと廉価ではなく、まあ物珍しさで使った域を出なかった。また、操作には両手が基本的に必要で、荷物を持っての利用は難しい。上の記事には、改善の余地はあるとも書かれているが、今後どうなるだろうか。



by walk41 | 2019-08-16 07:48 | ドイツのこと | Comments(0)

ベート-フェン Ludwig van Beethoven

ドイツの音楽家、いわゆるベートーベン(1777-1827)は、日本で誰もが知っているだろう人物の一人である。

これに関して、家人からこんなエピソードを聞いた。高校生のとき、試験で彼の名を「ベートーベン」と記したところ、×を付けられたというのだ。不思議に思い、尋ねに行くと「ベートーベンのベンは、ven だから、ヴェンでなければならない」と。

けれども、この教員の説明は誤りと言わざるを得ない。ドイツ語でBeethoven をカタカナ表記すれば、べートーフェン に近い。--ven を ヴェン と解したのは、英語読みを受け売りしたからだろう。同様の誤りとして、北ドイツの街で、高地ドイツ語(標準ドイツ語)の基準点ともされる、Hannover をハノーバーと記す例が挙げられる。

外来語の表記の仕方は二種類あるだろう。その一つは、なるべく原語に近いものにすること。モハメッドをムハンマド、毛沢東(もうたくとう)をマオ・ツォートン、と言うように。そしてもう一つは、いろいろな経緯ですでに定着している表記を踏襲すること。テレヴィジョン(television)をテレビ、ディパートメントストア(department store)をデパート、と言うようにだ。

だから、かの音楽家の表記も、前者にするのならば、べートーフェン、後者にするのならば、ベートーベン、である。間違っても、ベートーヴェンではない。なのに、上のような事実があるということに、音楽教師の怠慢そして傲慢ぶりがうかがえる。「教える立場」という自分を疑わなくなることで生じる悲劇である。

Komischerweise passiert ein Fall in der Schule in Japan. D.h. wenn ein Schueler Ludwig van Beethoven als "ベートーベン” auf Japanisch in der Musik Pruefung schreiben wird, koennte er minus Punkt bekommen. Der Lehrer sagt ihm, "Beethoven ist kein Beethoben, deswegen musst du ”ベートーヴェン” schreiben." Jedoch ist seine Erklaerung leider falsch. Weil sein Name selbstverstaendlich ein deutscher Name ist, soll er nach deutscher Weise ausgeschrieben werden. Oder es soll nach der Importierungsgeschichte der Woeter aus Ausland benutzt werden. Konkret gesagt, Beethoven soll ”べートーフェン” oder ”ベートーベン” sein. Das kann keinerlei "ベートーヴェン" sein. Wenn ein Lehrer zu Schueler wie oben auesseren werden soll, bedeutet das ist solcher Lehrer faul, sogar arrogant um Lehre. Dieser tragischer Fall allerdings ergibt, wenn Lehrer zweifelt sich seine Stelle als Lehrer nicht.

by walk41 | 2019-08-11 09:15 | ドイツのこと | Comments(0)

煙突掃除人 Schornsteinfeger

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ドイツ中西部の街で見かけた、煙突掃除人のクルマです。

彼の地での冬支度の一つとして家々の煙突を掃除する人ですが、彼らを見たり服に付いた灰に触れると、幸運がもたらされると言われているようです。験担ぎも、社会により色々なことがわかりますね。



by walk41 | 2019-08-10 09:02 | ドイツのこと | Comments(0)

民族という神話 Volk als Mythos

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さらに、ドイツの学校博物館の資料から。

ナチズムは、ドイツ民族の気高さを強調するために、ゲルマン民族という祖先を創作し、世界に冠たる民族ゆえに、世界支配が当然との物語を喧伝した。

ドイツのはるか東の地でも、同様のことが起こっていた。万世一系の天皇という創作のもと、日本民族なる神話をまことしやかに語り、八紘一宇と周辺地域に対する支配を正当化したのである。



by walk41 | 2019-08-08 06:10 | ドイツのこと | Comments(0)

遺伝的病気への対処 Maßnahme gegen Erbkranke

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引き続き、ドイツ中西部の学校博物館に展示されている資料から。

次の問題を考えてみよう。遺伝的に健康な夫婦から3人の子どもが生まれ、遺伝的に病気の夫婦から4人の子どもが生まれる。a)遺伝的に健康な子ども一人当たりいくらかかるか。対して遺伝的に病気の子どもについては。b)30年後、遺伝的に健康な子どもが成人となり、それぞれ3人の子どもをもうけ、対して遺伝的に病気の子どもがそれぞれ4人の子どもをもうけたならば、費用はどのようになるか。c)両者の割合は、60年後どのようになるか。また90年後、120年後、150年後はどのようになるか。d)さあ、我が国民80,000,000人のことを考えてみよう!国家はどのような方策をもって、これに対応するのが効果的か。(1941年の数学の教科書から)


民族浄化を掲げたナチズムは、遺伝性の疾病への注目も怠らなかった。いやそれ以上に、疾病そのものを遺伝的と決めつけ、それが拡大再生産されるという想定のもとに、該当する人々を抹殺していったのだろう。


加えて、そうしたプロパガンダが、代数の問題として扱われていたことに、驚きを隠しえない。しかも、これに対する国家の政策をも問う教科書になっていたとは。


by walk41 | 2019-08-07 02:09 | ドイツのこと | Comments(0)

私たちの総統 unser Führer

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中西部ドイツの学校博物館にて。

1939年4月22日の日付が入った、ドイツ初等学校の生徒の作文があった。

昨日は総統の50歳のお祝いでした。この日はドイツ国民全体が幸せな気分に満ちていました。人々は家々を飾り付けました。この街の軍隊もお祝いのパレードを行いました。こうすることにより、私たちが総統の後ろにいること、そして、戦争となった場合には私たちが自身を守れることを世界に示すことができるのです。いくつかの外国の新聞、例えばイギリスは、アドルフ・ヒトラーほどドイツ国民を受けとめている総統はいないと書いています。私たちはこの2000年の歴史を振り返り掴まねばなりません、そしてローマ皇帝のことを。こうした出来事から、昨日の出来事は全世界に対して一つの教えを導くのです。

かくもヒトラーを指導者として崇拝し、ドイツ国民(民族)の一体性を強調するものとなっている。生徒が書いたこの文章を、教員が添削していたのである。

この作文から半年足らずで、ドイツは西側からポーランドに侵攻、その3週間後にソビエトが東側からポーランドに侵攻する。第二次世界大戦の始まり、そしてユダヤ人とポーランド人の大量虐殺の始まりであった。

by walk41 | 2019-08-06 06:22 | ドイツのこと | Comments(0)



榊原禎宏のブログ(Yoshihiro Sakakibara Blog) 教育学の一分野、学校とその経営について考えます(um die Schule und ihre Verwaltung und Management)
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