今回の大人数の授業で学生に課したレポート、120本近くを読んだ。
その中に、「あれっ」と思うものがあり、学生を呼び出すと案の定、コピペをしたことを認めた。Webページからのものではない、前期の同じ授業名にて、別の学生が記したレポートのデータをもらい、その一部を使ったというコピペである。 当の学生は、時間が足りなくなり思いあまってと弁明したが、認められるものではない。とはいえ、私が「仏の…」に傾いているのだろう、授業での様子や6回課したミニワークの取り組みのさまを見ているので、このまま落としてしまうのも可愛そうに思え、全面書き直しで再提出されたものを改めて見ることとした。 あわせて本人にも伝えたが、当該領域の指導教員にも今回のことを伝え、説諭いただくことにした。大学生に「生徒指導」とはまことに情けない限りだ。 授業を担当している教員は、その分野のプロである。つまらないことを考えるよりも、早い目に準備して真摯に臨むこと、これが学修の近道である。
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by walk41
| 2020-01-29 14:52
| 大学のこと
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https://deutsches-schulportal.de/unterricht/was-beim-einsatz-von-schulhunden-zu-beachten-ist/ より。Finiと呼ばれる雌犬が、ボン市内のある学校の仲間と紹介されている。 ドイツは犬にとって天国とも言われるほどに、愛犬家が多く、犬が生活の身近にいる。電車やバスはもちろん、食品を扱う店などを除けば、基本的に店内に犬を連れて入ることができる。リードなしでの散歩も当たり前に見かけるし(嫌がっている人もいるだろうけれど)、それでもちゃんと飼い主と犬が一緒に歩いているから不思議だ。日本の飼い主が犬に信頼されていないんだね。屋内で共に暮らしているのも当然で、日中の居場所以外としての、屋外の「犬小屋」はないように思う。 そんな中、学校でも犬がいることが当たり前だからだろう、「学校犬を始める際に気をつけなければいけない点」という見出しで学校ポータルサイトの記事があった。犬派でもある自分としては、いいなあと思わされるシーンである。 #
by walk41
| 2020-01-27 18:33
| ドイツのこと
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教育関係のフォーラムに出席する。その内容はともかく、参加者の中から「欧米では…」という発言があったことに、改めて落胆させられた。
曰く、「欧米では実践と理論が繋がっていて…」旨である。一言いおう、「そんなこと全然ないよ。」 あくまでも私の知る限りドイツでは、大学で学んできた教育学・教職科目は教員の仕事に役立たないと観念されてきた経緯がある。大学を終えて教員試補(Referendariat)になった人たちに対して、教育センタースタッフが冒頭に言ったのは、「これまで学んできたことは全て忘れるように」だとは、私が複数の人から聞けたことだ。こうした「悪口」を受けて、ドイツの大学も良しにつけ悪しきにつけ変わってきただろうが、理論と実践がすんなり結びついてきたわけではないとは言えるだろう。 ドイツだけでもそう感じるし、他の国や地域に詳しい方からも一家言あることだろう。なのに、ヨーロッパと北米をまとめて話すとは乱暴にすぎる。知らない人が多いだろうからと大雑把な言い方になるのかもしれないが、自制心をよく働かせてほしいと、自省を込めて思う。「欧米では…」、もうこんな表現はやめにしようよ。 #
by walk41
| 2020-01-27 01:10
| ことばのこと
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これは、書き手の問題というよりも、彼/彼女が依拠する先行研究にそう書かれているのを、素直になぞっているという問題である。つまり、先行研究のいい加減なことが、問題の大きな要因だ。 たとえば、性教育について論じているものがあるとする。お決まりと言っては関係者に怒られるだろうか。「世界の教育に日本の教育は後れを取っている」という書きぶりが容易に見つかる。けれど、それは確かな話だろうか。 ちょっとgoogle先生にたずねてみよう。すると、https://www.jetzt.de/politik/polen-sexualkunde-an-schulen-soll-strafbar-werden こんな記事が見つかった。ドイツのお隣のポーランドで、子どもを怖がらせない(小児恐怖症を抑制する)ために、学校において性に関する授業を行うことを禁じ、これに違反した場合、懲役2年間までの刑罰に処するという法案が準備されている、という内容のドイツでの記事(2019.11.24付)である。 少し原文を引く。"Bislang besagt Artikel 200b des polnischen Strafgesetzbuchs: „Wer öffentlich pädophile Verhaltensweisen propagiert oder lobt, wird mit einer Geldstrafe, Freiheitsbeschränkung, oder -entzug bis zu zwei Jahren bestraft.“ Die Autor*innen des Entwurfs stellen Pädophilie als Folge sexueller Bildung dar: Man animiere etwa Kinder zur Masturbation, damit sie sich mit Sex einverstanden erklären würden. "(これまで言われているのは、ポーランド刑法200b条を「公共的に小児恐怖症を引き起こすプロパガンダあるいは称賛を行った者は、罰金刑、あるいは2年間までの禁固または懲役に処す」にするというものである。同法案の作成者たちは、小児恐怖症が性教育の結果として生じていると捉えている。性について知ることになるマスターベーションへと子どもをそそのかしているというのだ。) この記事では、ワルシャワの二つの学校にて、15~18歳の生徒に歴史を教える35歳の教員の声を「歴史教師として働く上で、歴史の中での性別役割について語れないなど、ありえないことだ」と引いているが、この法案が通過すれば、避妊、性病、ジェンダーについても、テーマにできなくなると書かれている。カトリック教会の強い、彼の地ならではの思潮かもしれない。 とまれ、「寝た子を起こすな」に類する考え方が、日本以外でも見られることは事実のようである。この他の理由で、性がタブー視されていたり、啓蒙や啓発の対象となっていない地域が存在する可能性も排除できないだろう。 私の言いたいことはすこぶる簡単だ。世界に200近くも国家や政治的地域があるのに、十把一絡げに「世界のなんとか」というのはもう止めよう。外国のことを引き合いに「日本は遅れていて…」と語る姿勢は植民地根性で下品であり、そもそも正確さの点で危うい。同じ国家でも違うことがあるのだから、すべてを調べきるのはきっと不可能である。 だから、「世界では…」「欧米では…」という口癖を直して、もっと丁寧な話をしようということである。そうなると、ハッタリが効かなくて困る人も出るかもしれないが、それは仕方ない。いままでホラ話に近いようなことを言ったり、書いたりしてきたのだから、もう満喫したと諦めることである。これ以上の弊害を、とくに若い世代にもたらすのは止めにしようではないか。
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by walk41
| 2020-01-26 23:06
| 研究のこと
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by walk41
| 2020-01-23 13:06
| 大学のこと
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